目次
最後にコレでしめる
まず商品を知ってもらおう!
商品を販売する企業としては、まずその商品をできるだけ多くの人たちに知ってもらう必要があります。
そのために宣伝・広告費を使っていますが、効果的なものとそうでないものと差があります。
やはり一番効果的なのは、人気の高い芸能人や著名人を広告塔にすることです。
タレントのローラさんがCMをするとすぐにその商品はトレンド入りします。
みんなに注目してもらうことが第一関門であり、まったく聞いたこともない商品となると、話を聞いてもらうだけでも難しくなってしまいます。
営業トークの入口を少しでも入りやすくする販売戦略が肝心です。
しかし、一流のタレントを広告塔に起用するとなると、それなりにコストが膨らんで純利益が減少してしまいます。
そこのバランスを取れるようにしなければなりませんが、それには数年はかかるのを覚悟した方が良いでしょう。
運良く一気に売り上げを伸せば、短期間で純利益を拡大することができます。
まず、お客さまに対し販売する商品名を伝えた際に、「ああ、あれね!」とピンときてもらうことが必要です。
そうでないと、話が進みません。
なぜなら、現在はいろいろな会社が実にいろいろな商品を独自開発し販売していますが、使ってみた効果はいまひとつで騙されたという事例が頻発しているからです。
効果がないと思って問い合わせしてみたら、会社自体がなくなっていたという事例もあります。
「貼るだけで痩せる」などという過大広告を注意された企業もあり、その他さまざまな詐欺事件も横行していることから、国民の突撃販売に対する不信感はピークに達しています。
そんな状況下で生き残っていくのは至難の業であり、とにかく販売会社を「信用」してもらうことから始めなければなりません。
商品を知り尽くそう
商品の「売り」
広告塔のおかげで話のキッカケを掴めたら、商品の説明に入りますが冒頭にもってくるのは、その商品の「売り」となる特長をアピールすることです。
他の商品とは何が違うのか、という差別化を図れる一言が重要になってきます。
それに影響されるかどうかで、商品説明の続きを真剣に聞くかどうかが決まります。
演劇や舞台における「最初の掴み」と言われる部分であり、だらだらと何の変哲もなく始まるストーリーよりも、期待感が湧いてきます。
掴みは良かったものの、販売員が商品をあまり詳しく理解していないケースが多く、その後の説明で失敗してしまう場合もあります。
専門用語を羅列して煙に無くという最悪の営業トークに、まだ騙されるお客さまがいることも事実です。
説明の途中で意味がわからなくなって付いて行けなくなったら、購入を諦めたらよいのですが、一生懸命説明している販売員に悪いと思うのか、ずっと聞いてしまうようです。
「仕事と割り切って」という言葉があるように、製品への愛はなくても仕事と割り切って販売している販売員がいますが、それは売り上げを伸ばせる人の営業精神ではありません。
販売成績が良い人は、自社製品を愛しており、自社製品への研究に熱心です。
何が良くて、何がいまひとつなのかも熟知しています。
だから、商品を知り尽くして、メリットがデメリットを上回り、お客さまに喜んで頂けると信じているからこそ、自信をもっておすすめできるのです。
自社製品に愛情がない販売員、仕事と割り切って機械的な商品説明に終始している販売員が、売り上げを伸ばせるはずがありません。
デメリットも説明
商品説明の際はメリットだけではなく、デメリットもしっかり説明するようにします。
今までに使用による事故やトラブルが発生しているのであれば、注意点として言及しておくことは、信用を得るためにも必要なことです。
今はネット社会であり、お客さまはすぐに商品の評判や口コミをチェックすることができます。
その中に重大な説明を要するような要素があった場合に、それにまったく触れないのは信用を無くしてしまいかねません。
後日連絡した際に、「ネットでこんな悪い口コミを見たのだけれど、実際のところどうなの?」という話から始まったら、マイナスからのスタートになってしまい、その後どんなにフォローしても持ち直すことは難しいでしょう。
都合の悪い点は、先に膿を出していく方が得策といえます。なぜなら、その後に説明することはメリットしかなくなるからです。
悪い点を最初の方に教えてもらっている方が、購入希望者は安心して、その販売員を信頼して話を聞いてくれることでしょう。
他社商品との比較
さて、一通り説明に区切りが付いたら、次は競合他社の製品との比較表が効果的です。
お客さまが今使用している商品との比較にもなるかもしれません。
どの成分が入っていて、今使用している商品には、どの成分が不足しているのかといったことが一目瞭然で、今販売しようとしている商品の方が、お客さまにとって適していることを説得できるかどうかが勝負の分かれ目です。
そのためにも、お客さまに心を開いて頂いて、自分の今困っている点や肌が弱くてすぐにシミなどができるといった体質的な情報をできるだけたくさん聞き出す必要があります。
それによって、比較表に掲げた商品のうちどれが最適であるのかが判明するからです。
そこで、いろいろ検討してみた結果、総合的に判断して当社の商品がベストであることを立証すれば良いのです。
似たような商品はたくさんありますから、それらと何処が違うのかを明確に打ち出すことが肝要になります。
そして、効果的なのは実際に使用しているお客さまの生の声です。
実際に使用しているお客さまから集めたアンケートを集計し、どんな効果が出ているのかをファイリングして、新規のお客さまに見てもらう必要があります。
テレビショッピングが成功しているのは、画面を通してその効果を見ることができるからです。
やらせかどうかは別にして。
とにかく、目に見える効果の資料は、絶対に必要になります。
お客さまにとっての「一番」
そして、そろそろプレゼンの最終段階に入りますが、そこで決め手となるのは、「お客さま個人」を意識しておすすめしているという点です。
人は手相がその人唯一のものであるように、体質も個々それぞれに違っています。
そして、この商品の一番の「売り」である特長が、お客さまに適合しているということがプレゼンの締めとなります。
今販売されている商品のなかでは当社製品が、あなたに一番適していますという結果に行き着かなければなりません。
「でも」といわれたらひとまず肯定
感じ方はさまざま
ひとつの書物について、読書感想文を書いてもらうと、さまざまな見方があることがわかります。
その本を面白いと結論付けているものと面白くないと結論付けているもの、まったく意見が分かれる場合があります。
つまり、同じものでも人によって感じ方はさまざまということです。
自社の商品のプレゼンをするにあたって、販売員は自分なりのシナリオを頭の中に作って話を進めていきます。
お客さまが黙って聞いていれば、自分が想定したストーリーどおりに進みますが、その順調な流れをせき止める事態が発生することがあります。
お客さまから「でも」と言われ違う意見が出された瞬間などに発生します。
マニュアル以外にも商品について自分なりに勉強して詳しくなっている場合には、その質問に答えられ流れを元に戻すことができますが、そうでない場合はペースを乱されてしまいます。
お客さまからの反論に対し、柔軟に対応ができない場合にペースが乱され、流れが変化して自分が立てたシナリオが崩壊してしまうのです。
お客さまからの突然の反応に対し、臨機応変に対応できるかどうかは、営業マンの腕の見せ所です。
自分が立てたシナリオに固執していては、柔軟な対応ができません。
お客さまは、商品に関しては詳しくないので、直感的に感じたことをストレートに聞いてくる傾向があります。
メリットばかり聞かされていたら、なおさらで「でも、そこは自分の場合は合わないのではないか」といった疑問は当然湧いてきます。
そんな時、精神的に余裕がない営業マンは、すぐに「そんなことはありません」と否定してしまうのです。
完全否定されたお客さまとしては、「この人は本当に顧客のことを思ってすすめているのだろうか」と不信感を抱くキッカケになってしまいかねません。
お客さまが反論したことが正しいケースもあり、営業マンの主観で話していたということもあるのです。
そのため、お客さまから説明の途中でご意見があった場合は、すぐにそれを否定せず、一旦は受け止める姿勢が必要です。
「でも」に隠された背景を知ろう
じっくり考えなければならない問題であれば、なおさら即答や即否定はできないはずです。
一旦は受け止めて、その場で考えたら答えられる場合はちょっとお時間を頂き、その場で回答できないような問題であれば、一度会社に持ち帰ってから、専門家などから意見を聞いて後日改めて回答するようにしましょう。
その場でいい加減な回答をしてしまうと、後で正しいことが判明して営業マンの回答とまるで違っていた場合は、お客さまに心から謝罪して訂正をしなければなりません。
それは、「もう結構です」と言われても仕方がない状況です。
お客さまの「でも」は、ただ営業マンの説明をいたずらに遮るためだけに発せられたのではなく、過去に自分や家族が同じような商品を使って、体調を壊したり、肌トラブルが発生したりして出た、苦い経験からの「でも」なのかもしれません。
それは、理論だけしか理解していない者には決してわかりようもない壮絶な体験だった可能性があります。
本当ならもう使いたくはなかったのかもしれないのですが、今こうして営業マンから説明を受けるようになるまでに回復しているのです。
それだけに、簡単に理論的な根拠だけで否定してしまうのは、過去に苦い実体験があるお客さまにとっては、「この営業マンは何もわかっていない」ということになってしまいかねません。
お客さまから、納得できない部分の指摘があった場合には、一旦肯定した上で具体的にどんな不都合があったのか、どんな辛い体験をされたのかとしっかり寄り添って聴き取りを行うという行為に出た方が得策であると思われます。
そして、「そんなことがあったんですか。お辛かったですね」という一言を添えた後に、当社の商品がその懸念に対してはどのような防止対策が施されているのかを(用意したシナリオを変更して)説明して差し上げるのが、お客さまにご納得いただける方法です。
気持ちの切り替えが大切
しかし、ひとりひとり体質は違うことから、その特異な副作用ともいえる症状に対して、「自社の商品では絶対に発症しません」と言い切れるだけの知識を営業マンが持っているかどうかが問題です。
おそらく、薬剤師や開発研究者しかわからない回答である可能性が高く、いい加減な知識をブレンドして回答してしまう営業マンが多いのではないでしょうか。
ある購入検討をしているお客さまは、今営業マンが説明をしている商品に含まれる成分のうち、ある特定の成分が気になっていました。
はっきりしたことはわからなかったのですが、顔の一部に発疹が出たときに皮フ科を受診した際、ストレスや疲れなどから出ている吹出物とは違い、何か化学薬品によるアレルギー反応によるものと診断されたのです。
ネットなどでいろいろ調べた結果、これしか考えられないという原因に着地しました。
ネット通販で購入したスキンケア商品に含まれていた成分だったのです。
しかし、その成分はほとんどのスキンケア商品に含まれているので、おかしいと思いさらにリサーチを進めたところ、海外輸入品の場合は類似品のようなもので、たまに表示とは異なる成分が混入してあることもあり、実際に顧客トラブルが発生しているということがわかりました。
もともときめ細やかな美しい肌をされているお客さまは、当時はかなりのショックで会社にも出勤できなかったほど落ち込み、外にも出掛けられなかったそうです。
そんな経験から心配でたまらず、発せられた「でも」であり、ただの軽い反論ではなかったのです。
こうした背景が隠れている場合もあるので、お客さまから発信される情報は、軽視することはできず、自社製品のメリットを説明している際に発信されるお客さまの「疑問」や「反論」はじっくりと聞いて、明確な回答をお返ししなければなりません。
人は誰でも自分が信じたものを口に出して喋っているときに、「それは違うよ」などと否定されると不快になりますが、それは説明の最中に「でも」と言われた営業マンも、「でも」を即否定されたお客さまもどちらも不快な気持ちになっているはずです。
しかし、営業マンはすぐに気持ちを切り替え、お客さまの「でも」が何処から来る「でも」なのかを検証しなければならない立場にあります。
成功談でつかみはオッケー
成功談を持とう!
ケース1 不動産
不動産物件を紹介する場合には、相手先企業が購入しようとしているエリアの図面を持参すると効果的です。
大きく図面を広げたところ、ほとんどが真っ赤。
赤い部分は既に売約済のところになった図面です。
それをみると、いかに自社の初動が遅れていたことに気づき、焦りが発生する可能性が高いです。
そして、それぞれ売約に至った経緯について「このエリアは人気でここなんか他社と取り合いになって、5分差でこのお客さまは購入することに成功したのです、決定がもっと遅れていたら他社に取られていました」、「5分の決断速度の差が何億という損失を生んでしまうのですね」といった成功談をブチかませば、お客さまも「検討中」などと悠長なことを言っていられなくなります。
さっそくその日のうちに重役会議が開かれ、翌日また呼び出され、残っている2~3軒から一番条件の良い物件を急いで購入することになるというケースがあります。
ケース2 学習教材
また、学習教材であれば、もっと簡単です。
その世帯が所属する学区エリアを営業かけて回り、成績の良い子の世帯と契約を締結します。
それが営業の武器になるのです。
次に行く世帯では、「この学習教材は同級生のあの子も使っているんです」と親に言うだけで掴みはオッケー。
その子は有名中学受験を目指していて、「A」判定が出ているほどに成績がズバ抜けてすごい子であることが近所でも有名になっているので、中学受験を考えている親はもちろん、そうでなくてもその子に憧れている親子であれば契約を取るのはそれほど難しいことではありません。
ただし、この話にはオチがあって、結局某有名私立中学に見事合格した生徒は、たしかにその学習教材を定期購入していましたが、一度も開いたことがなかったということです。
ケース3 保険外交員
ある保険外交員は、まったく契約が取れず上司からは「無能」呼ばわりされる毎日で、自分には向いていないからもう辞めようかと思っていたときに起こった、というか自分で思い付いたことがありました。
会社や学校などのお昼休みを利用して、ひとりひとりにコソコソあたって商品をご説明させていただくことをお願いしていましたが、誰からも相手にされません。
そんな日が毎日続いていたときにあることを思いつきました。
「ひとりひとりコソコソ喋っているから怪しくみえるのではないか」ということに気づき、会社や学校の許可をもらって、フロアの中央に立って全員に向かって大きな声で商品の説明を行ったそうです。
すると、デスクで休んでいた社員や学校の先生たちが、何事かとその営業マンに注目し、全員に向けて加入を呼びかけていたので、これは加入した方が良いのだろうと思った社員や先生たちが我先にと集まってきて、いきなり1日に何十件という契約を取ることに成功しました。
その成功談を武器として、その後もお客さまの掴みはオッケー。
そもそも、成功談になった自分で考えた「フロアの真ん中で商品を叫ぶ」手法の掴みが上手くいったからこそ、その後の好調につながっているのです。
営業マンは誰でも1つや2つの武勇伝を持っていて、それを話のネタに毎回何処かで活用しています。
武勇伝は、契約がなかなか取れない中で悩みに悩んでブレイクスルーで浮かんだアイデアを元の自分でアレンジして、営業に活かしてみたら爆発的に契約が取れたというものであり、やはり成功談の陰にも努力ありなのがわかりました。
まず、営業トークの冒頭でお客さまのハートを掴むための「成功談」や「武勇伝」を持っていることが、営業を有利に展開していく手法です。
そんな成功体験をするためには、どうしたらよいかをみんな考えて仕事をしています。
途中で諦めないで、悩み続けた結果、何らかの方法を思い付くものなのです。
せっかくつかみ取った成功体験を、これからの営業トークの掴みとして活用していくと、お客さまもこの営業マンは実績がある人だと信じてくれることになります。
成功しても努力は続けよう
さて、冒頭の掴みはオッケーだったとして、肝心なのは、中身の説明に入ったときとのギャップです。
あまりのつたない説明に、「あなたは本当に稼ぎ頭?」とお客さまの頭に疑問符が付いたときが危険信号です。
体験談や武勇伝がたまたま起こったビギナーズラックのようなものだと解釈されてしまっては、せっかくの冒頭の盛り上がりがもったいないことになってしまいます。
そうならないためにも、「成功の後に努力あり」でなくてはならないのです。
人は成功の後は、自分にご褒美だとかいって、つい堕落してしまいがちです。
成功した際に「喜び」よりも「恐怖」を感じるくらいでちょうど良いのです。
これからは油断すると成功を打ち消すような転落が待っているかもしれない「恐怖」にかられて、「努力」をするようになるのが理想的です。
今まで成功体験を獲得するために、努力して頑張ってきたのですから、それを忘れることなくさらに努力を継続しなければなりません。
そうしないと、営業トークの冒頭でお客さまとせっかく盛り上がったのに、次第に尻すぼみ状態になっていって、最終的にお客さまが考え込むようになってしまったということがよくあります。
それは、成功体験の後に「努力」を怠ったからです。
貫徹することの重要性
進出に遅れた企業が焦って契約決定が早まったのであれば、そのような事例があることを担当している企業クライアントに警告し、テレアポをたくさん行って面談先の予約を取るべきです。
そして、我が社の物件を購入した企業がどれだけ利便性と快適さを感じ、また利益に繋がっているのかを後追い調査しなければなりません。
それがまた、営業トークでの掴みの後のネタ話にすることができます。
企業クライアントは同業他社に関する情報なら大歓迎でとても興味をもって聞いてくれることでしょう。
学習教材の販売で有名私立受験生との契約に成功したのであれば、その教材をどのように役立てているのか、その学習教材のおかげで良い点数が取れた生徒の体験談を聞かせてもらうといった後追い調査が必要です。
ただ売れたではなく、売った後に、購入者が使ってどうなったのかが、お客さまが知りたいところなのです。
契約に至るまでのポイントである冒頭の掴み・充実した商品説明・最後の締めまで、しっかりと尻すぼみになることなく貫徹することが重要になってきます。
ラストはお客さま自身に営業してもらおう
お客さまの声を聞こう
契約に至ったお客さまの使用後の声を集めるのも大事な仕事です。
新たな新規ばかりを探し求め続けるのではなく、間に契約済ですでに導入稼働中の企業クライアントにも顔を出さなければなりません。
導入後のシステムの調子はどうかというのを聴取することで、「上手く行っている」とか「仕事の効率化に繋がった」とか「コストカットに繋がった」といった感想を聞くことができれば、それを新規のクライアント営業の際にネタ話として活かすことができます。
しかも、その感想を教えてくれた企業が、世界有数の一流メーカーであれば、他の企業も大変興味をもって営業マンのエピソードに耳を傾けることでしょう。
そして、それぞれの導入して良かったと言ってくれている企業が、グループ企業に我が社の製品のことを喋ってくれることで、噂・口コミという形で我が社の製品が知られていくことになります。
学習教材の契約に成功した世帯には、あの子もこの子もデキる子はみんな使っているという話を井戸端会議の場でして頂くことで、その会社が知られることになります。
営業トークの中に登場する生徒のうち、成績の良い子の名前が多くなればなるほど、教育熱心な親は刺激を受けるものです。
契約を取ったら終わりではなく、その後も定期的に挨拶を兼ねて訪問をし、情報収集を図ることが重要になってきます。
そこで集めた「使用後の感想」はとても貴重な情報となります。
どんなに机上の優秀な仕組みを述べたところで、それはあくまで予想の話に過ぎません。
しかし、実際に契約して導入しているまさに現在進行形の企業から聞いた感想や満足あるいは不満な点などの情報は、生身の情報として今後の営業活動に十分威力を発揮します。
どの企業もシステムの仕組みよりも先に、導入したライバル企業が今どういう状況になっているのかといった実態の方に関心があるのです。
お客さまによる情報発信
そうした既に導入した企業クライアントから話を聞いてそれを営業トークに活かすのもひとつの方法ですが、その現在進行形の企業クライアントが、さまざまな公の場で、当社のシステムの素晴らしさを広告してくれたら、より現実味のある営業代行となってくれることでしょう。
営業間、その商品を販売する営業マンだけが行うものとは限らず、その商品価値が高ければ、それを導入している企業からの間接的な情報発信により当社のシステムの噂が広がることになります。
個人に販売したものであるなら、それを使用した感想などがインスタグラムやツイッターなどのSNSを通じて拡散すれば、お客さまが営業代行をしてくれているようなものです。
こうして、営業マン1人からの発信ではなく、契約してくれた方々の情報発信力もお借りしながら、商品の認知度・知名度を上げていくと大変大きな相乗効果が生まれることでしょう。
ある有名で人気のユーチューバーが、勝手に商品を「今ハマっているお気に入りベスト3」などとタイトルを打って、動画を流したところ、店頭からそれらの商品が一瞬にして消えてしまったそうです。
テレビを見なくなった現代人にとって、人気動画配信はそれほどの影響力があるのです。
販売している店舗が自分で高い広告費を使って、必死に宣伝するよりも、絶大な効果を発揮しています。
人気ユーチューバーに採り上げてもらうだけで、コストもかからず、すごい宣伝効果を生み出すことになるのです。
ただし、その動画を支えているのは、ユ-チューバーが宣伝してくれている商品とはまったく無縁な企業の広告代であるという皮肉もありますが。
やはり、今の時代SNSが持つ情報発信力は凄まじいものがあります。
特に、有名人がやっている動画で採り上げてもらうとかなりの影響力があります。
これがたとえ同じユーチューバーであったとしてもテレビのCMでちゃんと制作するのと、彼らが手作りで制作した動画ではまったく違ったものが2つ出来上がってしまいます。
ひとつは大変お金もかかっているし、スタッフや衣装代、セット組み立て費用など莫大な費用を使っています。
一方の動画では、いつもどおりの背景なので実際に宣伝する商品を購入する1千円以下の金額しかかかっていないということになります。
それで、世間への影響力を比較すると、お金がかかっていない動画の方が広告効果が高いことがわかります。
今はAIなど進化した時代といわれていますが、CM制作のプロが作ったものよりも、手作り感満載のユーチューバーが制作した動画です。
ここからもわかるように、動画の方が実感がこもっているのです。
CMタレントが、実生活で自分が宣伝しているものを使っていないことの方が多いようです。
あくまで、イメージキャラクターとして、仕事としてやっているだけなので、それが視聴者もわかっていて、敢えてあのタレントがCMしているから購入しようというのは、タレントパワーランキングのトップ3くらいのものです。
やはり、広告宣伝のキーワードは「手作り感」と「現実味」であると思われます。
営業で契約してもらうのも、情報発信力がある人に実際に契約して使ってもらっているのをインスタなどに挙げてもらうのが一番効果的なのですが、それもなかなか難しいでしょう。
したがって、一般のお客さまが自分で使ってみた感想などをSNSで発信してもらうようにするだけでも全然認知度は違ってくると思われます。
営業には使えるものは全部使いましょう。
一人でやる営業の影響力は小さくても、契約してくださったお客さまが味方についてくれて、情報発信してくれるようになれば、これに越したことはありません。
商品価値を高めよう
そのためには、やはり営業する商品の価値が本当に素晴らしいものでないと、噂は広まりません。
営業マンが自信を持っておすすめできる画期的な斬新な商品を開発することが重要になってきます。
その根源となるのが「商品開発力」です。
その根源となるのが、「商品企画力」です。
商品企画・商品開発ともに5年~10年とかなり長い期間を使って行われているようです。
これが、すべてのスタートになるわけですから、ここから勝負が始まっています。
「商品企画力」・「商品開発力」・「販売&営業力」などがあって、広告宣伝もあるのですが、これらにユーザーによる「拡散力」が加われば大ヒット商品となること間違いなしです。
最後に
最終決定は「お客さま」自身
実は、「もう一息」のところまでが「営業」の仕事であるといわれています。
その最後の一息は、「鶴の一声」なのです。
営業はやるところまではやったという段階で、ライバル社との比較の俎上に上がっています。
どれを選ぶのかは、担当専務取締役か、常務取締役か、社長ということになります。
そこで決め手となるのは、意外と簡単すぎてアホらしくなるものもあります。
「社長の故郷との関連でコレ!」といったので決定したというのを聞きました。
そんなことで決まってしまうのです。
これまで渉外担当者から始まって、その上司・さらに上の役員とステップを緊張しながら昇っていったあの苦労は何だったのかと言いたくなるくらいです。
個人向け営業の場合でも決め手は、商品ではなく営業マンの「人柄」だったというケースも多いです。
「故郷」や「人柄」が最後の決め手になってしまうということです。
もちろん、すべてがそうだと言っているわけではありません。
ちゃんとひとつひとつの機能性や利便性を厳密に比較検討して決定した事例の方が多いことを願います。
しかし結局、営業マンは最終段階の時点では「締め出し」を喰らってしまいます。
「ここから先は我が社の首脳陣が決めることです」ということです。
そこでお尋ねすることは、「我が社の物件は候補にちゃんと入っていますか?」ということくらいですが、それには「はい」と一言だけ答えてくれます。
そして、暗闇会議の中で1つが決定するというわけです。
結局は、その最終候補の俎上に登るまでが営業の仕事ということになります。
個人営業については、やはり「最後の一押し」が重要になるのでしょう。
おすすめできる商品を
何日も連絡していくつもの質問に答え、不安はすべて取り除いたが、それでもまだお客さまは迷っていて決められないというケースは多いです。
今はテレビCMでも「無料お試し期間」というのがあるようです。
さらに、気にいらなければ返却可能とまでしている企業もあります。
それだけ商品に自信があるという誇示なのでしょう。
しかし、無料で2週間も試すことができるというのは魅力的です。
駄目だったらどんどん返却してもらって構いません、というのも魅力的です。
さまざまな機会を狙ってお金を取ろうとする業界が多い中で、非常に太っ腹というか、珍しいパターンです。
これならお客さまも気軽に商品を手にすることができるでしょう。
しかし、それには「商品」にかなりの自信がないとできることではありません。
商品開発力や商品企画力がすごいのでしょう。
やはりベースはそこにあります。
営業が自信をもっておすすめできる商品であることが大事ということです。
さらに、無料のお試し期間があり返却も自由となれば、商品への敷居も低くなり、お客さまも手を伸ばしやすい。
お客さまの声は「貴重な財産」
信頼関係の構築
しかし、商品の販売は営業の仕事であり、営業トーク術が重要であることは変わりありません。
冒頭でお客さまの心を掴む、そのためにいろいろな経験を積んで場数を踏んでいなければ、エピソードトークは生まれないのです。
また、成功体験談も生まれません。
そして、商品の詳細な説明の段階に入ると、お客さまにわかりやすく丁寧に説明していく必要があります。
たまには難しい質問を受けることもあるでしょう。
そのときにすぐに答えられるように日ごろから自分で商品の勉強をしておかなければなりません。
わからないところがあれば、商品開発スタッフに聞きに行くくらいの熱心さが必要です。
そこまで努力していても、お客さまの体質や使い方などは千差万別であるため、すぐに答えられない質問が飛んで来ることがあります。
そんなときに肝心なのは、その場でいい加減な回答をしないことです。
一旦持ち帰らせてもらって開発スタッフなどに聞いて、正確な答えを持っていくことが大事になります。
それが信頼関係の構築に繋がっていくのです。
そして、いよいよ最終段階になったとき、お客さまの心を動かすのは、営業マンが営業活動をしている大勢の中のひとりとして接してきたのではなく、一対一のあなたという世界で唯一無二の個性と向き合って、そのあなたにピッタリと思う商品をおすすめしますという、お客さまの立場に立った対応がすべてを決することになります。
たくさんの顧客を抱えていても、いざひとりの顧客と向き合う際には、そのお客さまのためだけに一生懸命になれるというところが肝心になってきます。
お客さまは敏感ですから、自分が数多くの顧客のひとりにしか過ぎない扱いを受けていると感じた瞬間から、営業マンとは距離を置くようになるでしょう。
それは、先日質問した答えが1週間~2週間経ってもまったく音沙汰無しであるとか、連絡回数がすっかり減ってきたとかいった変化に対し、信頼関係が薄れていく原因になっていきます。
質問を受けたなら、せめて3日以内にはお返事したいものです。
「お客さまの声」を集めよう
誠意が実って契約が成立した暁には、今度はお客さまに営業をしてもらいましょう。
といっても、お客さまに宣伝を依頼するのではなく、自分からSNSなどに「この商品は良い」・「この商品は5つ星」といった口コミなどを投稿していただくのです。
会社のホームページに「お客さまの声」という特別欄を設けてもよいでしょう。
最近はSNSが情報発信の先頭を走っているので、まだその商品に出会っていないお客さまが、ホームページをみて、実際に使用しているユーザーの意見を必ず参考にするはずです。
会社にとって一番大事なのは、顧客からの評価です。
それを加工することなく正直にホームページなどに掲載するようにすることは、もうひとつの営業部門を持つようなものです。
中には辛辣なご意見も入ってくると思われますが、それは放置せず、改良が必要であれば開発部で改良を重ねている旨コメント追記して、使い方に問題があるものについては、正しい使い方をコメント欄に残すようにして、お客さまとのコミュニケーションを大切にすることが大切です。
お客さまから寄せられるご意見やご要望は、会社が独善的・閉鎖的にならないために必要な貴重な財産です。
「5年で急成長する会社には興味がない、20年~30年と継続的に成果を出し続けている企業にこそ興味がある、肝心なのは『永続性のメカニズム』が埋め込まれているかどうかなのだ」とはビル・ゲイツの言葉です。
この言葉どおり、地道にコツコツとお客さまの声を集めていきましょう。
この記事を書いた人
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コールセンターの現場の第一線で日々頑張るスタッフ達が価値ある「リアル」を伝えます。
貴社のご発展に是非、ご活用下さい!
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