まずはじめに
こういう事していませんか?
セールスの電話、ガチャ切りされたこともあれば、自分でもガチャ切りしていませんか?
誰でも思い当たるふしはあるでしょう。
忙しいときのタイミング悪く架かってきたセールスの電話、楽しくゲームをしている最中に架かってきたセールスの電話など、相手がどのあたりまで喋ったタイミングでガチャ切りしているかを考えてみると、「お忙しいところ、恐れ入ります」最初の冒頭のこのフレーズは聞くでしょう。
そして、次に気になるのは、「あなたは誰?」。
そこで、続いて聞こえてくるのが会社名と自分の苗字です。
かろうじてここまではまだ聞いています。
さて、問題はその後の「用件」です。
「本日お電話させていただきましたのは、当社の・・・」このあたりで「けっこうです。興味ありませんから」でガチャ切りというパターンになり、相手のまだ何か必死で喋っている声が受話器から漏れているのを聞きながら終了。
何故ガチャ切りしたくなったのかということですが、それは相手がマニュアルどおりの喋り方、訓練されたとおりの喋り方であるのが丸出しだったからです。
まだ、人間味がある声だったから良いですが、人によってはまるでロボットかAIが喋っているかのような話し方をする営業マンもいます。
フランクだとまずいから、固いイメージで行こうと思った結果のことでしょうが、これも聞いていて相手が人間なのかテープなのか気味悪くなって切ってしまいます。
後者は、ちょっと自分なりの手を加えたものですが、前者に関しては、マニュアルどおりで何も工夫が施されていない感じがしたからです。
顧客はひとりひとり個性があって、それを十把一絡げにされて統一マニュアルで全員通そうなどというのは甘い。
まず、その家庭が何人家族か、その売り込もうとしている商品に対する需要度は何%くらいあるのか、その家庭が困っていることは何かなど一切リサーチ無しで電話を架けてきていることも気にくわない。
セールス電話にしろ、テレアポにしろ丁寧語・敬語を使っていれば良いというものではないのです。
相手に商品を売ろうと思うなら、徹底的にリサーチをすることが肝要です。
そのために必要なのが、相手の立場に立って考えるという精神になります。
言わされているのではなく、「自分の言葉で喋る」
まず、自社の商品に関しては、何を聞かれても間髪入れず答えられるようにしておくこと、そのためには必死の勉強が必要です。
どうしてもわからないことがあれば、開発スタッフにまで聞くぐらいの意気込みが必要になります。
また、相手が法人だと「最近の市場動向はどうなの?」といった質問がくることがあり、日ごろからアンテナを張って情報収集を怠らないことが肝要です。
また、「おたくのシステムを導入したら、当社にはどんなメリットがあるのか」といった質問もあります。
これを端的に的確に答えることができれば、アポイントは取れます。
「こいつは、当社のことをよくリサーチした上で、自社製品がどう役立つかまで考えている」そうなれば、信頼関係の一段目くらいは、構築されていることでしょう。
そして、問題なのが先ほどのトークマニュアルですが、とにかく言葉に魂が抜けているのです。
いかにも「言わされている」感が出ています。
相手のリサーチが十分であれば、かける言葉のトーンも調子も普通の喋り方とは違ってきます。
相手のことがわかっているからこそ、マニュアルどおりにはできない、自分の心の言葉が自然と出てくるようになるのです。
どんなに優秀な営業マンでも、言い忘れた・聞き忘れたということがあります。
それを防ぐためには、最低限のシナリオは必要でしょう。
シナリオを電話の横に置いてテレアポをするのは結構。
しかし、それは、聞き忘れてはいけない項目、言わなければならない項目のメモです。
それだけで不安な場合は、会社が作ったマニュアルを参考に自分なりのオリジナルのシナリオを作成することをおすすめします。
相手先企業が関心を持つキーワードやキーセンテンスを盛り込むことを忘れずに、言わされているのではなく、「自分の言葉で喋る」ことを心がけます。
そうしなければ、相手の耳には入っていきませんし、心にも刺さりません。
客観的なデータと具体的なデータ、どんなメリットがあるのか
会社であれば、企業情報など図書館にも資料があるので、年商や従業員数や事業内容を事前にリサーチすることが可能ですが、個人の自宅にセールスの電話をするのは大変でしょう。
なにしろ今は個人情報保護法とやらでやたら個人の情報は他人にはわからないようになっている世の中。
わかっているのは電話番号だけという状況で、相手の懐に入り込むことはほとんど困難であり、ガチャ切りされても無理はありません。
法人同士の場合は、相手をリサーチすることができます。
また、グループ企業があってそこに定期的に訪問しているのであれば、情報を聞き出すことも可能です。
最近の市況などは新聞やネットで調べて勉強すればよいでしょう。
そういう風に相手先の情報をしっかり把握した上で、初めての電話というのはするべきものなのです。
「これは効果的です」とか、「お役に立てます」などという言葉は、さらに駄目な言葉です。
相手先の情報も知らないのに、何故そんなことを決めつけられるのかということです。
自分勝手な判断で、軽々しく口にしてよい言葉ではありません。
また、これは売る側のあくまで主観的な意見であり、そんなものは相手は求めていません。
客観的なデータと具体的なデータ、そして自社にとってどんなメリットがあるのかという点です。
電話で長々とメリットを説明することは無理なので、そこを端的に伝え「では会ってから、具体的なお話をお聞かせ願えますか」となることが理想的です。
電話では、相手が関心を持ちそうなキーワードを交えて端的に伝え、面会の日時等を決めることです。
テレアポの目的は、あくまで実際に会って、具体的な提案をする機会を与えて頂くための日時の約束を取ることにあります。
ただ、電話でいくつか唐突に質問されることがあるので、それに答えられる準備はしておかなければなりません。
せっかく面談が実現しそうだったのに、最後の質問に答えられなかっただけで、信用を落とすことになりかねません。
根拠に裏付けされた十分な知識をもって、自分の言葉で相手の立場に立って話すことが大事です。
テレアポで営業はするな!
担当者のさじ加減ひとつでアポ入れできるかどうかが決まる
テレアポの目的は、実際に先方の企業の渉外担当者と面談して自社製品のプレゼンをさせてもらう日時を決めることです。
その際には、訪問の趣旨や訪問する社員の人数・役職などもお伝えしておく必要があります。
簡単そうにみえて、これが非常に難しいのです。
一度でも訪問している企業であれば、相手先の時間的都合だけを調整すれば良いことになるのですが、問題はまったくの新規企業のアポ入れです。
2回目・3回目もまだまだ油断できません。
聞いたことのない・聞いたことはあってもこれまでお付き合いがない企業からの電話は、渉外担当者のさじ加減ひとつでアポ入れできるかどうかが決まります。
先方の担当者は、そういう電話には慣れています。
会ったことはなくてもその企業が取り扱っている製品と接点はあるため、今会う必要があるのか、まだ導入を検討すらしていないから会う必要性がないのか判断するのが、相手先企業の渉外担当者です。
もう既に同業他社の製品を最近導入したばかりという状況なら、相手先の担当者は面談の必要性は低いと判断することが多いでしょう。
しかし、現在検討中であるとか、将来的には導入を考えているといった企業は、情報を得たいはずです。
また、会社の役員会議や企画会議などで唐突にその話題が出ることがあるため、さまざまな機会を利用して情報収集しておこうというなんでも収集マニアの担当者がいます。
そして、自社の企業規模からして、将来的にもまったく導入を考えていない無関心な企業が存在します。
それぞれのタイプによって、テレアポのシナリオは異なってくるので、ワンパターンだけのシナリオでは対処できません。
それぞれの状況に応じた話し方があるのです。
圧倒的な知識量と対応スピードで勝利を得よう
我が社の製品というか、この業界の製品が気にはなっているが、いますぐどうこうするという予定はまったくないという企業のアポ入れは困難です。
まずは、当然「今は考えていないので」と面談を断られるでしょう。
テレアポをしてくる営業マンによっては、一度面会を許すと相手先の反応など無視してガンガン売り込みをかけてくる人がいるので、渉外担当者もその対応で自分の他の仕事ができなくなるのが嫌なので、とても警戒しています。
情報収集はしておきたいが、契約を急ぐ営業ではないのか、数日おきにおしかけて来るような面倒臭い企業ではないのかといったことを気にしているのです。
また、せっかく貴重な時間を割いて面談したものの、まったく無意味だったという過去の経験から、テレアポの時点で相手をある程度審査しています。
具体的な導入を検討していない相手先企業に対し、いきなり商品説明をしても相手は「ちょっと待ってくれ、またそこまでは考えていない」ということになってしまいます。
あまりにしつこいと面談アポすら取れないでしょう。
いくらまったく関係ないこともない業界であり、その販売している製品であるとしても、営業マンのアポ電の入れ方ひとつで導入候補から外されてしまう可能性があります。
今の時代、ライバル他社がいない唯一無二の製品を独占状態で販売している企業は少なく、同一分野で同業がしのぎを削っています。
接触してきている企業は複数いるため、あまりにテレアポのマナーや話の進め方が下手だと、面談のアポイントすら入れてもらえなくなる可能性があるのです。
こっちにとっては貴重な1社であっても、相手先にとっては多数あるうちの1社に過ぎません。
性能もどこもそれほど差がなく、営業力によるところが50%以上占めていると言っても過言ではありません。
相手先企業が最終的に選ぶのは、圧倒的な知識量と対応スピードがポイントになります。
しかも、質問して返ってくる回答にすべて誤りがないことが肝心です。
自社製品の知識だけ詰め込んで、業界全体の現況などまで視野を広げていなかったりすると、相手先担当者は視野が狭いと判断して脱落候補へと格下げされるでしょう。
そして、次は用事があったらこちらからお電話しますといわれて、それきり先方からの電話はなくいつの間にかライバル企業の製品が導入されていたなんて事例はよくあることです。
やはり、自社製品のことを隅から隅まで熟知して本当に導入先の企業の立場になって考えてくれているかというのが伝わってくるところでないと、一歩立ち入った深い関係を築こうという気にはなりません。
自社製品に自信をどれだけ持っているかは、1時間も話せばだいたいわかります。
マニュアル化が難しいのトークテクニック
テレアポの時点では印象の良い営業マンであっても、実際に面談して話を聞いてみたら、期待外れだったというケースもよくあることです。
面談本番で上手くやるのはまた別途考えるとして、まずは契約への第一歩であるアポ入れを成功させることです。
アポ入れはたくさん取れることに越したことはありません。
それだけ可能性の卵がたくさん集まるということだからです。
テレアポの成功率を上げるためには、それなりのテクニックがあります。
そして、そのテクニックはマニュアル化することが本当に難しいのです。
会社はいろいろなベテラン営業マンが集まってテレアポのマニュアルを作りますが、みんな営業マンはそのマニュアルを使っているにもかかわらず、成果はバラバラで一様に低い。
ほんの一握りの営業マンだけがたくさんアポ入れに成功しているといった偏った結果になってしまいます。
結局、ペーパーマニュアルにしたところで、それを使う社員によって有効利用度に差が出てしまうのです。
熱心になるあまりテレアポの段階で製品の性能や他社より当社製品の方が優れているというような主観的な意見の押しつけをやってしまったり、なんとか食い下がろうといろいろ言ってぶら下がっていますが、そういうのは逆効果でありテレアポの本来の目的を理解していません。
テレアポの段階で営業をすることはまずないと思って良いでしょう。
ごくたまに、中身まで詳しく聞いてくるクライアントもいないわけではありませんが、こちらからやることは実際に会ってプレゼンをさせて頂く日時のお約束を取り付けることです。
それさえできればすぐに撤退してOKです。
あとは、面談本番での勝負となります。
テレアポで営業までしてしまう社員も困ったものですが、逆に電話をする回数が極端に少ない営業マンもいます。
断られることに慣れておらずいつまでも引きずるタイプです。
語尾を伸ばさずハッキリクッキリ
心の武装を取り払おう
テレアポに対応してくれる相手先企業の渉外担当者は、何年も何件も同じような電話を受けてきていますから、当然優秀な営業マンのテレアポの仕方も知っています。
語尾が伸びた緊張感のない話し方も印象が悪いですが、もっと多くて逆効果になっているのが、「あまりに丁寧すぎて不快な気持ちになるアポ電」です。
何故そこまでかしこまる?殿様とでも話しているつもりか?というような喋り方をする営業マンがいます。
性格上、どうしてもそういう喋り方でないと、テレアポをすることができないようで、ほとんど条件反射的にそういう話し方になってしまうようです。
テレアポから離れたら普通の喋り方なのですが、仕事の電話だとどうしてもそうなってしまうのです。
その営業マンは、やはり断られたり、嫌みなことを言われたりするのが心が傷つくために心に武装しているのだといいます。
どんな言葉の攻撃を受けてもいいように鎧をつけて電話しているのです。
電話というのは、相手の顔が見えないために、物言いが過激になりがちです。
ネットの世界で匿名で辛辣な批判をして特定の人を叩く行為の先駆的なものが、黒電話の時代からあったということです。
それに恐れをなして電話をかけることにおそれを成してしまっているのです。
ネットで叩かれ炎上してしまった人が受ける精神的な苦痛を推して知ることができます。
なにせ、一般の会社の営業テレアポですら、怖くてなかなか電話できない社員がいるほどですから。
自分が鎧をしていると、それは堅苦しい話し方になり、不自然になってしまいます。
それは聞いている相手方に不快感を与える可能性があります。
それはやはり、相手の顔がみえていないために、本当はどんな人間かわからず、ただ話し方が不自然だという情報しか耳に入って来ないからです。
そういうテレアポは、話の中身よりもその不自然な話し方の方が相手先企業の渉外担当者は気になってしまい、早々に電話を切ろうとするでしょう。
ロボットのような堅苦しい話し方や、学生同士の会話みたいな語尾を伸した話し方などは、多額の経理予算が動く会社同士の対話には、まったくの不適切であり修正する必要性があります。
アポイントがよく取れる営業マンは、たしかに多少の熱量は感じますが、相手が異様に感じるものではなく、また押しつけがましく感じるものでもない、ちょうど良い熱量を発しながら喋ることができます。
冒頭での入り方、喋り方が重要なポイント
そして、きちんと相手が感心を聞くキーワード、キーセンテンスを入れることも心得ています。
今度面談する際のあなたのメリットはこういうものですというのを提示しているのです。
そうすると、相手先企業の担当者も情報を集めるのが仕事の一環ですから、ちゃんとしたテレアポをしてきた相手とは時間を割いて会ってみようかということになることがほとんどです。
複数回訪問を続けていると、たしかにネタ切れになってきて、相手もなかなか決断できず膠着状態になっている案件もあるでしょう。
それでも最低でも2~3ヵ月に1回は定期訪問を心がけますが、なにせ持っていく手土産(貴重な情報など)がなくなってきます。
そうなるともう、「ご挨拶」しか理由はなく面談しても世間話や業界の最近の動きなどの「情報交換」で終わってしまうこともしばしばあります。
しかし、そういう場合はそれで仕方ありません。
問題なのは、まったくの新規で掘り出した会社にテレアポをする場合です。
本当なら直接会って話した方が楽だという社員もいるでしょう。
しかし、だからといっていきなり社屋を訪ねても、「お約束されていますか?」というのが総合受付の常套句で、約束をしていない場合は渉外担当者が不在であったり会議中であったりするケースがほとんどです。
それこそ交通費・出張費の無駄になってしまいます。
やはり、いきなり約束もなく訪問するのではなく、テレアポが必要になってきます。
顔がみえないとなれば、新規の相手先企業は受話器から聞こえてくる声から判断するしかありません。
あまり熱を入れすぎず、ロボット口調にもならず、普通にマナーを守った中庸な喋り方ができれば、相手はとりあえず声をそこから想像する人柄に安心し、話の内容がスムーズに頭に入って来るようになります。
相手先企業の渉外担当者が落ち着いて話を聞き入れてもらうためには、冒頭での入り方、喋り方が重要なポイントになるのです。
冒頭で「どこか変な人」もしくは「個性的過ぎて付いていけない人」と思われてしまったら、その後の要件はもうその担当者の頭にはほとんど入ってきません。
最初に相手を安心させる話し方を身に付ける必要があります。
ちょっと言いにくいことではありますが、これは教えて指導したからすぐに修正できるという類いのものではないのがやっかいな点です。
自分のくだらないプライドを捨て去ることから始めよう
アポイントをたくさん取っている営業マンは誰から指導を受けたわけではなく、自分で研究してオリジナルのシナリオを数パターン作成するなど、もともと素養が備わっている・テレアポに向いている性格であるのはたしかです。
持って生まれた才能というものを認めざるを得ません。
持って生まれた才能とは言いましたが、ひょっとしたら、これまでの人生において人間関係に恵まれた人生を送ってきたのかもしれません。
その中で人に学び、自分で自覚して影響を受けた人から学んだのでしょう。
しかし、営業部の成績の底上げを図るためには、テレアポが上手くいっていない社員をなんとかしなければなりません。
まず、彼らには電話をかけるエネルギーがないのが問題です。
そのエネルギーを削いでいるのが、相手先企業から冷淡に断られることの気分の落ち込み、あるいは「忙しいときに電話して来るな、バカヤロウ」などといった辛辣な言葉を浴びせられたことによるショックが原因になっています。
日ごろ自分が自宅にかかってくる押し売りの電話や投票依頼の電話などにやっていることを、今自分がされていることの現実に頭がついて行っていないようです。
何故自分がこんな目に遭わなければならないのかという顔をしています。
そんな彼らは、一度自分のくだらないプライドを捨て去ることから始めなければなりません。
そして、相手先企業の立場に立って考えるような姿勢に転換することが大事です。
自宅にかかってくる売り込み電話に対しての態度も一度考え直してみる価値はあるかもしれません。
お客さまを「おっ?」と思わせれば勝ち
根拠のある言葉には、魂がこもっています
面談する相手である渉外担当者も他の仕事にも追われていて、テレアポの相手ばかりもやっていられません。
何のメリットもない相手と小一時間も無駄な話をしなければならない苦痛を幾度となく味わってきているはずです。
人間関係が構築された相手であっても、「今日は煩わしい」と思うことがあることでしょう。
こちらは相手先企業の業務スケジュールを知らないし、もしかしたら大きなイベントが入っているかもしれません。
テレアポをしたら、居留守を使われることもあります。
居留守を使われたら、どうしようもありませんが、仕方なく電話口に出てくれた担当者に、喜んでもらうにはやはり何処にも流れていない業界の最新情報や、相手先企業の競合他社の新製品などに関する情報などを持っていくしかないでしょう。
お互いに気心が知れた仲でもその程度ですから、まったく付き合いのない新規の顧客開拓がどれだけ難しいかがわかります。
まずはその相手先企業が今困っていることを把握する必要があります。
それは、グループ企業からの「あそこシステム導入で検討始めたらしいよ」という情報提供や、関連企業から当該企業OBなどキーマンを紹介してもらってその人から情報を聴取するなどの方法があります。
そうやってその企業が最新機種の未導入であることや、そろそろ導入することを検討していることが垣間見えたら、アポ電のときにそこを突いてみるのです。
反応せざるを得ないほどに気になっていた部位なので、まさにその会社が検討しているシステムについて、それを紹介したいのですがとくれば、相手先は「おっ?」と思うはずです。
それは、1社だけではなく、いろいろな製品・システムを比較する必要があるからです。
売り込む側は、自社に都合の良いことしか言わないことは渉外担当者はわかっていますから、自分たちで情報を集めて比較表を作成し、自社にとってどこの製品が最適であるかを選択しなければなりません。
そのためにも情報はたくさんあった方が良いのです。
また、今のところ考えていないが、将来的には導入を考えているという企業に対しては、同業他社などあなたの会社の周囲はどんどん導入が進んでいて、遅れると置いて行かれるというニュアンスを臭わせると効果的です。
ただし、そこに曖昧な情報があってはいけません。
実際に導入が進んでいて、具体的にどこの会社が導入しているのかと聞かれたときに、実際は企業秘密ですが答えられるようになっていなければならないことは言うまでもありません。
そこでは具体的な企業名を出さなくても、実際に導入が進んでその相手先企業が陸の孤島になりつつあるならば、電話からその真実性は伝わるはずです。
根拠のある言葉には、魂がこもっているからです。
このように徹底した情報戦争を制覇しながら、突き進んでいくことは大変な作業ですが、本当にこれから導入が必要な企業に対しては、一番確実で有効な手段であり、ほぼ一本釣りする体制に入っている際には、有効な接触方法となります。
プレゼンする側が製品情報を隅から隅まで把握しておくことが大事
場合によっては、契約まで近い企業が今のところないため、訪問数を多くすることに重点を置く期間になった場合は、ひとつひとつの企業の内情までリサーチすることができないので、ある程度言葉で伝えることができるキーワードやキーセンテンスを持っていることが肝要になってきます。
「新しい製品が開発されました」、「新しい物件が整備され売りに出されました」など「新しい」というフレーズはけっこう有効です。
これまですでに売りに出されている機種や物件はさんざん検討してきたが、いまひとつ決め手に欠けていたために、交渉が長引いているのです。
そんなときに、「新しい物件が売りに出された」などという情報がもたらされると、是非どんな土地なのか詳しく聞いてみたいし、見てみたいという気持ちになります。
他のライバル社はアッセンブリ用の工場などを地方にどんどん建設しています。
そんな中で取り残されるわけにはいかず、いそれは決めなければならないと思っていました。
そこへ来て「新しい」というのは効果的なワードです。
あと、「御社にとって有益な」とか「効率的な」といった言葉は、逆効果です。
有益か効率的かなど、その相手先企業の社員にしかわからないし、実際に導入してしばらくしなければわからないようなことを先に「有益」とか「効率的」とか言われても、それはあくまで売る側の主観的かつ根拠のない主張であり、まったく相手の心には刺さりません。
それどころか「こいつはてきとうなことを言う営業マンだ」というレッテルを貼られてしまうおそれすらあります。
主観的で根拠のない勝手な想像で、物を言わないようにすることが肝要です。
相手先企業を「おっ!」と思わせるのは良いのですが、実際にそれに相応したものを提供できるのかということが問題です。
電話口ではどんなことでも言えますが、実際に製品や物件を提示した際の相手のガッカリする姿がみえるようです。
そして、しばしの沈黙が流れます。
うなり声を上げる担当者もいるのは、期待していたのと、あまりにかけ離れたクオリティだったからです。
「あれだけ期待させておきながら、これか」と落胆と共に怒りすら覚えているかもしれません。
あまり、電話で期待させては、実際の面談で期待を外しまくっていると、そのうち面談アポイントすら取れなくなります。
もうどんな魔法の言葉を使おうと「オオカミ少年」のレッテルを貼られてしまっているのです。
過度な期待を抱かせるワードやセンテンスもほどほどにするべきです。
お客様を「おっ?」と思わせて、実際に面談して提示した案件をみて「これはたしかに良い製品だ!」とご納得いただけるパターンがベストです。
そのためには、プレゼンする側が製品情報を隅から隅まで把握しておくことが大事です。
相手先企業からは、矢継ぎ早に質問が飛んで来ます。
それも企業によって抱えている問題はさまざまなので、自分で用意したQ&Aはまったく役に立たないことがほとんどでしょう。
しかし、製品に関する情報を完璧にマスターしているなら、どんな質問であっても「応用」して回答することができるはずです。
そこまでやれる自信と覚悟を持って、相手先に「おっ?」と思わせるキーワード・キーセンテンスを述べることが大切な心構えです。
最後に
プロに打ち勝つ最新情報を準備しよう
新規の顧客に初めてテレアポするときは、緊張するものです。
その緊張を緩和してくれるのが、「自信」という特効薬です。
自信があれば、トークマニュアルにしがみつくことはありませんし、どんな質問も怖くありません。
準備不足であるから、緊張し武装し変な感じになって相手に伝わってしまうのです。
企業の渉外担当者などはテレアポを幾度となく受けてきたその道のプロですから、受話器から聞こえる声を聞くだけで、その営業マンの人となりがわかるという人までいます。
準備不足のまま、テキトウにテレアポしてきた相手は見抜かれるということです。
営業部にもアポ電マニュアルはありますが、ほとんどみんな使っていません。
それが通用しないことがわかっているからです。
みんな自分で考え、自社製品について徹底的に勉強し、何を聞かれても的確に回答できるように準備しています。
また、常にアンテナを張り、業界の市況動向を探っています。
面談では必ず聞かれる項目をピックアップして、それらの最新情報を毎日収集しているのです。
法人同士であっても、ガチャ切りされることはあります。
それは、相手先企業のことをちゃんと調べないでテレアポしてしまったときです。
我が社が販売している商品が、相手先企業とは何の関係性も無かったということが営業マンの中の失敗談として、たまにあるようです。
とにかくアポイントを取りたいがために、闇雲に電話してしまい、まったく関係性のない会社に電話してしまうパターンで、「お前何処にかけとるんじゃ?」と言われたそうです。
これは、個人の世帯でも同じようなことではないでしょうか。
売り込もうとした商品が、まったく需要のないものであり、その世帯の情報を知らずに電話を架けているので、やはり「あなたどうやってこの番号知ったの?」といった怒りまでかっていることでしょう。
相手を知らずしてテレアポするほど、顧客を甘くみているか馬鹿にしていると思われても仕方ありません。
電話を架ける前には、しっかりと相手のリサーチをしてから、「当社の製品をこの企業に是非みてもらいたい」というくらいに温まってから、テレアポをすれば言葉も自然と出て来るでしょう。
相手もあなたの言葉が、いつも架かってくるセールスマンのトーンとはひと味違うことに感づくことでしょう。
電話を軽視することはできず、受話器から人となりがなんとなくわかるといった超一流企業の渉外担当者のように、受話器から出てくる声はあなたの心の中を反映しています。
この電話は嫌だなあと思って架けていればそれが伝わるし、自信がないからマニュアルどおりに喋っちゃえという投げやりな気持ちがあれば、どんなに敬語で言葉を繕っても、魂が入っていないことを見透かされてしまうのです。
やはり相手のことをちゃんと事前にリサーチする事が重要
電話と同じようなものにダイレクトメールがあります。
あれも突然何の前触れもなく送られてきます。
そして、ほとんどがチラッと確認した後にゴミ箱行きの運命です。
それだけの紙が無駄になっているのかとエコとリサイクルについて考えてしまうほど毎日毎日送ってきます。
そんな中でも、「チラッ」の一瞬の確認でしたが、珍しくゴミ箱行きの手が止まったものがありました。
何かが違う、それを直感して同じような営業をやっている人間として純粋に興味が湧いたのです。
中をみてみると、なんとその会社のスタッフがひとりひとり手書きで誕生日メッセージを書いていました。
それも、ひとりひとり写真付きで、当方の名前まで入ってメッセージも1~2行ではなくて、けっこう長い。
これには感動してしまい、捨てることが出来ず、今でもデスクの中にしまってあります。
「こんなすごいことする会社があるんだ」と重要な営業のヒントをもらいました。
前に会員登録をしているので、生年月日や趣味や特技などは先方はわかっています。
そして、その会社は送る相手を再リサーチして詳しくメッセージを書いていました。
「そこまでしてくれるのか」という言葉が思わず出ていました。
他のDMはただ宛名だけ印刷して、中身はみんな一緒であろう広告が入っているだけ。
そんなDMは、即ゴミ箱行きです。
テレアポも同じようなものです。
会員登録もしていないのに、勝手に個人情報を今問題になっている売り買いで入手してまで送ってくるのは、さすがに気持ち悪いですが、これは事前に自分で会員登録していたものなので、問題はありません。
やはり、闇雲にテレアポをするのではなく、相手のことをちゃんと事前にリサーチして、我が社の販売する商品がその相手の需要に合っているのかといった情報を得た上で、電話をすると相手の印象もかなり違うと思われます。
人さまのためになるものを作っていたら、それが売れてしまっていつの間にか商売になってしまったというくらいの精神がほしいものです。
しかし、現状はその逆で、大した効果もないのに、「儲ける」ことが第一で顧客に本当に効果があるのか、顧客の体質はどうなのかなど何もリサーチせずに、ただ「健康に良いです」の一言で全員に一様に売ろうとする企業が多すぎです。
中には完全に騙すつもりのブラック企業まで存在するので、みんなの警戒心がより強くなってしまうのも仕方ありません。
消費税も上がり、ますます営業マンには厳しくなる時代ですが、そこを突破していくのはやはり「他人を思いやる気持ち」や「他人の立場に立った思いやり」であることは、今も昔も変わらないようです。
そこをさきほどのDMのように、いかにして「おっ?」と思わせるかがポイントになります。
実際に、たくさんのDMの中に埋もれていたにもかかわらず、そのDMには「おっ?」と思わされました。
魂のこもった言葉は、必ず通じるようになっており、まさに「言霊」です。
「考える・工夫する」ということは、本当に大切で真剣に相手のことを思って知恵を絞れば、ブレイクスルーが見えてきます。
そして、まだまだ誰も思い付いていない斬新なアプローチの方法がいくつもあるはずです。
毎週毎週、違う映画や音楽が登場しているように、毎日毎日違う人格の赤ん坊が産まれているように、相手の立場になって考え、リサーチして知恵を絞れば、きっと心を開いてくれる顧客に巡り会えます。
この記事を書いた人

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