押さえておきたい今すぐ使えるトーク術とは?
魅力を伝えよう!
お客さまに商品やサービスを紹介する基本的なトーク術を習得したら、魅力を限界以上に伝える方法について学びましょう。
単純に紹介するだけなら商品の資料を見てもらうだけで十分です。
ただし、それだけでは購入に直結しないのが実情なので、販売する側としては何らかの工夫を行わなければなりません。
また、わざわざ自分で資料をチェックしてくれるようなお客さまは、商品の魅力についても理解しているのが一般的です。
したがって、わざわざ電話をかけるようなアプローチは必須とはいえません。
電話が必要となるのは、放っておくと購入に結びつかないお客さまが対象であることを覚えておきましょう。
そこで大事になるのは、やみくもに紹介を続けるのではなく、変化球のようなテクニックを織り交ぜながら訴求していくことです。
一方的に紹介を継続するだけでは、聞いている相手は疲れてしまいます。
それどころか、必死な売り込みに対して一歩引いてしまう場合もあるでしょう。
購入をまったく検討していない段階では、積極的なアプローチが功を奏すこともありますが、ある程度の段階を超えると駆け引きが必要となるのです。
効果的なトーク術
これから紹介するトーク術は、いずれもその段階において効果を発揮するものです。
使うタイミングが早すぎると意味がなくなるケースも多いので誤解しないでください。
とはいえ、初心者の間はタイミングの見極めが難しいと思うかもしれません。
迷っているとタイミングを逃してしまう可能性があるので、少しでも購入意欲の高まりを感じたら使ってみるのも一つの手です。
何度か試しているうちに、適切なタイミングを把握できるようになってきます。
このような駆け引きによってお客さまを引きつけることが重要なのは確かです。
しかし、その方法をあまり理解していないスタッフが多いのも実情となっています。
その原因として、購入するかどうかの判断はお客さまが行うものであり、こちら側が関与できる範囲は限られているという固定観念が挙げられます。
最終判断を下すのはお客さまというのは正解ですが、関与できる範囲を異様に狭く見積もっているケースが少なくありません。
日本人は押しつけがましい態度に嫌悪感を持ちやすいという特性が関係しています。
そのため、単純に紹介するだけではお客さまの判断に大部分を委ねることになりやすいです。
しかし、お客さまの判断を購入という結果に大きく引き寄せる方法が存在し、それを学ぶのが基本のトーク術を知った人が次に行うべきことです。
できるだけ早い時期にそのステップに移っておくことで、一気に成約の数をアップさせられるようになります。
基本のトーク術を身につけると、それで満足してしまう人が少なくありません。
特にそのトーク術で成功した場合は、他の方法を不要だと考えてしまいがちです。
もちろん、基本的なトーク術だけで購入してもらえる場合もありますが、そのようなお客さまは潜在的な購入意欲を持っていた可能性があります。
上述の例でいうと、仕様書をしっかり見る機会さえあれば、電話で紹介しなくても買っていた可能性が高いということです。
そういったお客さまは全体のほんの一握りに過ぎないので、いつまでも成功体験を引きずるのは得策とはいえません。
潜在的な購入意欲を持ってない人でも買いたくなるようなトーク術を押さえておきましょう。
そう提案されると、高度な営業のテクニックが必要だと感じて、自分にはハードルが高いと思う人もいます。
決して、難解な技術やノウハウが必要になるわけではないので安心してください。
シンプルな方法をいくつか習得しておくだけで効果を期待できます。
購入するかどうかで悩んでいるお客さまの様子を察知しても、そこからの一押しができないと歯がゆい思いをすることになるでしょう。
気持ちばかりが焦って同じ紹介を繰り返したり、主観的なアピールばかりしていると、お客さまの興味が薄れていくことが多いです。
いったん失われた興味を通話中に呼び戻すのは簡単なことではありません。
そのまま通話を終えてしまうと、購入してもらえる可能性は限りなくゼロに近づいてしまいます。
トーク術の重要性
次の一手
そういうリスクがあることを理解すると、次に押さえるトーク術の重要性を理解しやすいです。
これはコールセンターのアウトバウンドの話ですが、そのベースとなる要素はいろいろな会話に当てはまります。
コミュニケーションが得意な人は、これまでの人生で自然に使っている可能性もあります。
イメージしにくければ、意中の異性にアプローチするときのことを考えてください。
自分のことを知ってもらいたいからといって、積極的に自己紹介を繰り返すだけだと、ほとんどの場合は相手にされません。
少し付き合えるチャンスがあるように感じても、自分にできることが自己紹介だけだと歯がゆい状態で立ち往生することになります。
そこで次の一手を繰り出せるかどうかで恋愛が成就するかどうかが大きく変わるのです。
コミュニケーションの良し悪し
コミュニケーションが得意な人を見ると、生まれもっての素養が優れているのだと決めつける人が見受けられます。
また、育ってきた環境に左右されると言う人も珍しくありません。
いずれも間違いではありませんが、それらはコミュニケーションの良し悪しを決定づける要素ではないです。
大切なのはトークの流れに合った引き出しであり、それは大人になった後でも身につけられます。
コールセンターで働き出してからでも十分に間に会うので諦めないでください。
別の言い方をすると、基本のトーク術しか知らないのであれば、まだ伸びしろが残っているということです。
アウトバウンドのトークは非常に奥深いものであり、必ず成約に結びつくという必勝法はありません。
しかし、商品の魅力を120%伝えて成約の可能性を引き上げる方法は存在します。
お客さまをトークの流れに乗せにくいと感じているなら、それらを押さえる努力をする価値は十分にあるでしょう。
応用編という位置づけになりますが、決して難しくはありませんし、どんな人でも実践しているうちに慣れてきます。
ただし、正しく理解していることが前提となるので、実践の方法とそれによって得られる効果をしっかり押さえておくことが大切です。
魅力ある情報は小出しで攻める
アピールが逆効果に!?
強引なセールストークが失敗しやすいのは、立て続けのアピールが逆効果になりやすいからです。
どれだけ優れている点の多い商品であっても、連続で紹介されるとたいていの人は拒絶する反応を見せやすくなります。
その理由として大きいのは以下の2点なので覚えておきましょう。
理由1 信憑性
理由の1点目は、信憑性が感じられなくなることです。
ほとんどの物事には良い面と悪い面の両方があるものです。
たとえば、軽くて使いやすい商品の場合は素材が薄くて耐久性に問題があるケースもあります。
わざわざ悪い面を紹介する必要はありませんが、良い面ばかりをいくつもアピールしていると、悪い面を隠そうとしていると勘繰られる恐れがあります。
理由2 誤解
理由の2点目は、とにかく買わせようと必死なので、あまり売れていない商品だと誤解されてしまうことです。
売れている商品であれば、わざわざ電話をかけてきてまでアピールする必要がないと思うのは自然なことでしょう。
そういう発想を喚起することになるので気を付けてください。
対面販売との違い
ここで忘れてはいけないのは、店頭や訪問における対面のアピールとは異なり、実際には商品を見てもらえないということです。
対面であれば、資料を見せたり商品の使用を実演したりするなど、アピールに緩急を付けられます。
特に実演販売では、終盤にたたみかけるように魅力を強調するなど、緩急の付け方をとても重視しています。
電話によるアピールでは、当然のことながらそのような選択肢はありません。
しかし、立て続けの紹介は上述のように逆効果になるので、急ぎ過ぎないことは重要なポイントです。
したがって、トークの運び方を工夫することでスピードを調整する必要があります。
お客さまの理解度
ただし、調整といっても細かな配慮が必要というわけではないので、心配しなくても大丈夫です。
情報を一気に伝えるのではなく、小出しにする形で話すことを意識しましょう。
一気に伝えることには上述の2つのデメリットがある一方で、小出しにすることには大きなメリットがあります。
お客さまが理解する時間を十分に確保できることもその一つです。
人は自分の理解の及ばないものに漠然とした大きな不安を覚えやすいです。
逆の言い方をすると、自分の理解できるものに対しては安心感を持ちやすくなります。
相手から信頼を得ることは営業を成功させるための基本です。
そのため、不安を煽るような要素はできるだけ排除しなければなりません。
信頼を得たいという気持ちが先走ると、立て続けに話したくなるので注意してください。
お客さまが理解できているかどうかを確認しながら、少しずつ情報を提供していきましょう。
ただし、少しずつ話してもお客さまの理解が追いついていない場合もあります。
そのため、情報を伝え終わるごとに不明な点がないか確認することが大切です。
もしわからない内容があると言われたら、次の情報を出す前にもう一度同じ情報を伝えなければなりません。
とはいえ、まったく同じように伝えてもまた理解できない可能性が高いです。
そのため、わかりやすいようにアレンジしながら話すことがポイントになります。
具体的には、相手が大人であっても中学生に話すつもりで臨みましょう。
専門用語は使わずに、できるだけ平易な言葉を選ばなければなりません。
話の展開も省略せずに、アピールする内容とそう言える根拠を示すことが大事です。
2度目の説明でもわかってもらえなければ、基本的には3度目の説明を行うことになります。
わかりやすく3度目の説明を行うことで、購入意欲を持ってもらえることもあるでしょう。
しかし、そのチャンスに恵まれないことも多いので要注意です。
自分には理解できないと判断し、そんな商品は不要だと認識してしまうケースが多く見受けられます。
そのような事態を招かないように、最初からできるだけ理解しやすく説明しなければなりません。
情報を小出しにすることには、それを実現しやすくする効果もあります。
平易な言葉で伝えようとすると、話す量が増えてしまうのを避けられません。
専門用語を使えば一言で済ませられる内容でも、平易な言葉だと長い文章が必要になってしまうからです。
たとえば、熱交換器を搭載していることを紹介する際、そのまま伝えても何が良いのかわからないというお客さまが多いでしょう。
この場合、外に出す空気の熱を中に入れる空気に移せることなどを具体例を交えながら紹介する必要があります。
立て続けに紹介しようとすると、一つひとつの特徴に対してそういった細かなフォローができません。
小出しにすることにより、個々の特徴にスポットライトを当てられるようになります。
お客さまの関心度
また、小出しにすることでお客さまが関心を示す点を把握しやすくなります。
興味がない点は聞き流していても、関心のある点についてはいろいろと質問してくるのが一般的だからです。
一気に紹介すると、話している本人だけでなく、お客さま自身も自分がどこに興味があるのかわかりません。
情報の区切りごとにストップすることで、自分の理解度ともに興味の度合いについても認識できるようになります。
何か1つにでも興味を持ってもらえれば、それに関連することを集中的に補足していくという方法も行えるでしょう。
たとえば、現状の生活における困りごとを聞いて、それがどのように改善されるのか説明するのも効果的です。
ますます興味を引き立てられますし、普段の話をすることでお客さまとの距離を縮めるのにも役立ちます。
どこで情報を区切るのか決めておくのが原則ですが、相手に合わせて変化させても構いません。
プログラミングをこなせるぐらいパソコンに精通しているお客さまに対して、メモリやCPUがどういうものか説明する必要はないでしょう。
それよりも、開発環境としての有用性について紹介するほうが効果を期待できます。
最初は情報の区切り方の感触をつかみにくいですが、いろいろなタイプのお客さまとやりとりするうちに直感的にわかるようになります。
ただし、たとえ商品のジャンルに詳しい人が相手でも雑に説明してはいけません。
要点を押さえたうえで、詳細は省略するという形をとってください。
いずれの場合も、魅力のある情報をお客さまに染み込ませるイメージで丁寧に話すことを心がけましょう。
雄弁は銀、沈黙は金
強調の方法はさまざま
電話を使って商品の魅力を紹介する場合、言葉だけが情報を伝達する手段となります。
そのため、とにかく話さなければならないと考えるスタッフも珍しくありません。
たしかに十分に話をしなければ、その通話が成約に結びつくことはないでしょう。
しかし、雄弁に語ることが常に効果的な選択肢とは限らないので気を付けてください。
饒舌な人に対して抱く印象は人によって異なります。
もっと聞きたいと感じる人もいますが、多く語られるとどこがポイントなのかわからないという人もいるでしょう。
プレゼンテーションであれば、後者のような人がいないように、資料の文字を太めにするなど強調するための工夫を盛り込めます。
しかし、電話では視覚的な演出を加えられないので、他の方法で強調しなければなりません。
沈黙の有効性
イレギュラーに引き寄せられる
そこで重要になるのが、話の中に沈黙を挟んでいくことです。
人はイレギュラーな出来事が起こると、その点に強く注意を引き寄せられます。
電話で商品をアピールしている人が急に黙ってしまうのは、聞いている側にとって紛れもないイレギュラーといえるでしょう。
どうして黙っているのか気になって、続きを聞きたい意欲が急激に強くなります。
これこそがプレゼンテーションにおける視覚的な演出の代わりになるのです。
太字などで強調したときと同様に、無音の間をつくることで次に話すことに注意を引きつけやすくなります。
もちろん、頻繁に黙ってしまうのは良くありません。
ここぞというタイミングで織り交ぜるから効果的なのであって、何度も使っていては強調する効果がなくなってしまいます。
また、無音の間は注意を引く代わりに、連発するとお客さまにストレスを与えやすくなる諸刃の剣でもあります。
勝負所以外で使うのは間違い、という認識を持っておきましょう。
具体的には、1度の通話あたり1回を限度とするのが望ましいです。
緩急を付けることが大切だと説明しましたが、沈黙はその極端なものだと理解しておいてください。
沈黙の必然性
その分だけ効果を期待できるので、自然な流れの中で行えるようになると成約の確率を上げられます。
不自然に行ってしまうと、なぜ黙っているのかわからず、不信感につながってしまう場合もあるので注意しましょう。
自然な流れの中で行いたいなら、沈黙する必然性について考えることが重要です。
話すかどうかをためっているときに黙ってしまうのは不自然なことではありません。
つまり、お客さまに伝えるべきか判断しかねている素振りを演出するために使えるということです。
たとえば、お客さまにとっては有益だけれども、自社にとっては不利益につながるような内容を伝えるときに使用できます。
裏技的な割引制度があって非常にお得と伝える、といった具合です。
この場合、その制度を使われると自社の収入が減ってしまうので、伝えるのを躊躇してしまったという形を取れます。
そのような情報を入手したお客さまの心情をイメージしてみましょう。
価値の高い情報を得たので、それを活かさないのは勿体ないと考えるケースが多いです。
沈黙によって注意を引かれた後なので、とても鮮烈な情報として脳裏に刻まれることになります。
商品に関する魅力が大きく高まったように感じられて、その後は情報をこれまでよりしっかり聞こうとするスタンスに変わりやすいです。
信頼感の獲得
また、迷ったうえで最終的に話してくれた相手に感謝して、たいていの場合は強い信頼感を持つようになります。
そのため、言葉を信用してもらいやすくなり、以降の話はスムーズに行えるのが一般的です。
ただし、まったく打ち解けていない状態で、そんな大切な話をしても信頼感の獲得にはつながりません。
信頼してもらえるようになってきたと感じたときに、最後の一押しとして利用するのが原則です。
また、沈黙の頻度だけでなく秒数についても注意してください。
10秒以上も黙り続けていると、不自然を通りこして何かトラブルが発生していると思われる場合もあるでしょう。
自分が関心を示さないので気分を害し、積極的に話す気がなくなったと解釈するお客さまもいるかもしれません。
イレギュラーが人を引きつけるのは事実ですが、一般的な流れから大きく外れてしまうのは問題です。
すぐに軌道修正できる範囲に留めておくことが大事になります。
一方で、あまり短すぎると沈黙の意味がないという実情もあります。
このように、沈黙の適切な秒数はかなりデリケートな問題なので慎重に検討しなければなりません。
しかし、空気を読むのが苦手な人は見当がつかない場合もあります。
それまでの話のペースにもよりますし、個人差も影響するので一概にはいえませんが、5秒ぐらいを目安にすると良いでしょう。
お客さまの視点で考えてみる
また、沈黙が有効であることを把握しても、なかなか実践できないケースが少なくありません。
その理由として、沈黙を苦手としている人がたくさんいることが挙げられます。
家族とは無言で何時間でも一緒に過ごせるという人もいるでしょう。そういう人でも、親しくない人と無言で長く過ごすのは耐えらないということが珍しくありません。
日常生活でそんな状態になると、何でも良いから話そうとする人が多く見受けられます。
そういった習慣のある人がスタッフになった場合、沈黙を効果的に使用するのは難しいと感じることがあります。
せっかく黙っても、お客さまとの間がもたないと感じて、すぐに話してしまうことが多いです。
この問題はお客さまの視点を持つことによって解決できます。
沈黙の状態になると間がもたないと感じやすいのはお客さまも同じです。
それまで饒舌に語っていたスタッフが急に黙れば、耐え難いと感じる効果はとても高いものになるでしょう。
それこそがこの方法の狙いの本質といえます。
次の言葉を求めて耳を澄ませるのが一般的ですし、自分から先を促してくるようなお客さまもいるのです。
スタッフの説明を漠然と聞いている状態とは大違いであり、その状態に導くことが沈黙の目的となっています。
ですから、沈黙を我慢できなくなってきたら、お客さまも同じ心理であることを思い出しましょう。
すなわち、我慢比べのような一面があるので、それに負けないという意識を強く持つことで、沈黙の間を有効に利用できるようになります。
「実はここだけの話」でキメッ!
価値ある情報
同じ人でもその価値観は置かれている状況によって大きく変わります。
たとえば、大して魅力を感じないものでも、自分しか入手できないとわかると急に貴重に感じることが多いです。
それはアウトバウンドの電話で伝える内容に関しても同様のことがいえます。
ここだけの話として伝えることで、その情報が価値あるものに感じられるようになるのです。
情報化社会という言葉からもわかるように、情報が重要な意味を持つ時代になりました。
インターネットを活用すれば、誰でも多くの情報を容易に入手できます。
だからこそ、インターネットでは調べられないような内容を含んでいる情報には大きな価値があります。
アウトバウンドの電話をかける際は、そのような情報を最低でも1つは用意しておくのが望ましいです。
それをここだけの話として伝えることで、訴求の大きな後押しになることを期待できます。
同じ情報でもインターネットや広告で目にするときとは大違いです。
自分にとって有益という印象が格段に強くなります。
適切な情報選択を
セレクション
ただし、こちらも沈黙と同様に、連発していると効果が薄れていくので気を付けなければなりません。
ここだけの話がそんなに多くあるわけがないため、信頼感を損ねる結果になることもあるでしょう。
仮に未公開の情報がいくつかあっても、魅力を感じやすいものを厳選しておくのが得策となります。
たとえば、資格試験の通信講座の案内をする場合、コースの内容や料金について紹介するのが一般的です。
それ以外に、自社のリサーチによって合格率と合格者の進路という非公開の情報も持っていたとします。
その資格試験が難関で有名なものであれば、お客さまは合格者の進路よりも合格率に関心を持っている可能性が高いです。
そう判断したら、合格者の進路は普通に紹介して、合格率をここだけの話として利用すると良いでしょう。
また、お客さまの様子などを考慮して選択するのも一つの手です。
商品に興味があるけれど、料金面で購入に踏み切れないことは珍しくありません。
上述の通信講座の例でいうと、そのような様子がうかがえたら、合格者の進路をここだけの話として伝えると効果が見込める場合もあります。
立派な進路が多いことがわかれば、将来的に受講の費用を回収できる可能性が高いことを察してもらえるからです。
それがきっかけとなってポジティブになり、講座の申し込みを決断してもらえる場合もあるでしょう。
非公開というだけで一定の効果がありますが、このように情報の適切な選択を心がけることによって効果を高められます。
タイミング
ただし、こちらに関しても実施するタイミングの取り方がとても重要です。
タイミングによって効果は大きく変わるので注意してください。
まったく商品に関心を寄せていない状態で伝えても、別に聞きたくないという意識を持たれかねません。
相応しいタイミングは2つあるので、どちらでも使えるようにしておくことが大切です。
相手が商品に関心を示し始めたときが1点目のタイミングであり、最後の一押しをするときが2点目です。
1点目のタイミングでは、一気にトークの流れに引き込むための起爆剤として役割を果たしてくれます。
ただし、このタイミングではまだ信頼関係を築けていないことが多いので、誰にでも言っているセールストークと見なされるかもしれません。
そうなると、2点目のタイミングで話すときも信頼してもらえなくなる恐れがあります。
したがって、1点目のタイミングで実施するかどうかは、相手の様子をよく観察したうえで判断しなければなりません。
すでにテンションが高くて前向きな姿勢が垣間見えるなら、細かなことで疑われる可能性は低いので話しても良いでしょう。
逆にテンションが低い場合は、不自然な雰囲気になりやすいので、1点目のタイミングはパスすることを検討しましょう。
トークトーン
また、声の調子を調整することも重要なポイントです。
幼稚園で子ども相手に話をする先生をイメージすると良くわかります。
内緒話をするときのような小声で伝えると、子どもたちは必死に聞き取ろうとするのが一般的です。
そのような幼い頃から、大々的に伝えられない情報には価値があるという先入観を持っています。
希少価値の観点から考えると当然のことであり、アウトバウンドの電話でも応用しやすいテクニックです。
ここだけの話を伝えるときは、少し声をひそめたりトーンを低くしたりしましょう。
それだけで聞き逃してはいけないという心理がお客さまに働きます。
その状態で自分にとって有益な情報を提供されると、値打ちを何倍にも感じてしまうというわけです。
常に情報収集を
言い換えると、あまり価値のない情報だと落胆されてしまう恐れがあるので要注意です。
そのため、このテクニックは下準備が成否を大きく左右します。
できるだけ価値のある情報を集めるために、日頃から扱う商品について興味を持っておくことが大切です。
自分のが利用者になったつもりで、嬉しく感じる点を把握しておかなければなりません。
魅力を感じるなら購入するという手もありますし、サンプルがあるなら借りて使ってみても良いでしょう。
そのようにして得られたリアルな知見は役に立つ可能性が高いです。
提供する側の視点で紹介していたスタッフが、利用者としての情報をこっそり教えてくれると、お客さまは有益な情報を得られたと感じやすくなります。
つまり、普通に紹介する情報とのギャップを大きくすることがポイントです。
成約に結びつかせる決定打になることが多いので、うまく活用できるようになりましょう。
トークの流れを適切に把握できるようになると、それまでより有効に利用できるようになります。
たとえば、最後の一押しが必要な場面だと認識できたら、スタッフの判断で提供できる期間限定の特典の存在を教えるといった具合です。
迷っている状態でそのような情報を得られると、情報の希少価値と内容そのものの相乗効果によって、契約したいという気持ちに導きやすくなるでしょう。
トークの流れを見誤って早めにこのような話をしてしまうと、最後の一押しに相応しいものがなくなるので要注意です。
したがって、トークの流れを読む技術とセットで習得するように心がける必要があります。
最後に
本質を理解しよう
コールセンターの仕事には複数の種類がありますが、そのなかでもアウトバウンドはスタッフの力量が影響しやすいものです。
お客さまが電話をかけてくる場合は、少なくともこちらの話を聞こうとする意志を持っています。
お客さまのアプローチにうまく対応することがスタッフの主な仕事です。
それに対してアウトバウンドはこちらからアプローチすることになるので、自分のテクニックでお客さまをトークの流れに引き込まなければなりません。
したがって、基本的なトーク術を身につけているだけでは不十分といえます。
そんな話を聞くと、アウトバウンドの電話は難易度が高すぎると身構える人もいるかもしれません。
しかし、成功に必要な本質を知っていれば、これからでも成約数を伸ばすことは十分に可能です。
今回紹介したものは、どれもその本質に基づくものなので、関連付けて習得すると良いでしょう。
ただし、その前に本質について十分に理解しておくことが求められます。
情報の伝え方
正確に伝える
その本質とは、商品の魅力をしっかりとお客さまに伝えるというシンプルなものです。
どれだけトーク術を磨いたとしても、肝心の商品がつまらないものだと認識されてしまうと、成約にはいたりません。
逆説的な表現になりますが、商品の魅力を実際より多く伝えられたら、その分だけ成約に至る確率をアップさせられるということです。
そう言われると、商品の特徴をとにかく誇張して伝えれば良いと勘違いする人もいます。
しかし、誇張が過ぎると信じてもらえませんし、そもそも虚偽として後で問題になってしまう可能性もあるのです。
自分だけでなくコールセンター全体に影響が及ぶような事態になるケースもあります。
したがって、あくまでも正確な情報を伝えることを念頭に置いておかなければなりません。
魅力を120%伝えることを目指すべきですが、それは誇張したり虚偽を交えたりするという意味ではないので注意しましょう。
お客さまの心の中に利用したいという気持ちを芽生えさせ、さらに通話が終わるまでに開花させることが大切です。
それを成功させたいなら紹介した方法を駆使してみてください。
相乗効果を意識する
ポイントになるのは、相乗効果を意識しながら用いることです。
単独で使うときよりもはるかに成約に結びつきやすくなるでしょう。
たとえば、ただ沈黙をするだけでなく、その後にここだけの話を紹介するといった具合です。
沈黙によってスタッフの話に耳を傾ける状態を作り出し、そのうえで希少価値の高い情報を提供することになります。
お客さまに対するインパクトは絶大となり、予想以上の訴求力を持たせられるでしょう。
上級者になれば、いろいろな形で小出しにする方法を織り交ぜていくことも可能です。
ここだけの話を連発するのは良くないというのがセオリーですが、お客さまとしっかりとした信頼関係を構築できれば、小出しにしていくのも有効な手法になります。
相性が良いので思わず次々と教えてしまうという雰囲気を演出するのです。
他にもいろいろな相乗効果を狙えますが、その技術やノウハウは文章を読むだけで学べるものではありません。
話し方や間の取り方はスタッフによって細かな違いがあるからです。
もちろん、マニュアルに話し方や間の取り方も記載されていますが、やはりそれまでの人生で培われた個性によって差が生じます。
同じセリフを複数のスタッフが発した場合、それぞれのニュアンスや印象が異なるケースも珍しくありません。
そのため、実際に試してみて使い勝手が良いと感じるパターンを見つけることが重要です。
成約の一歩手前まで進んでいる手ごたえはいつもあるのに、結果にあまり結びつかないと感じているなら、そのパターンを早く見つけることを意識しましょう。
基本のトーク術でお客さまを導けるのは、成約の判断をする一歩手前までです。
そこから決め手となる一押しをするには、商品の魅力をあらためて伝えなければなりません。
必要な情報を伝える
良いものであれば、小細工をしないでも売れるという人もいるでしょう。
しかし、実際には魅力的な商品でも、それを伝えきれずにヒットしなかったものは多く存在します。
ましてや、魅力が多いといえない商品に対して購入意欲を持ってもらうのは簡単なことではありません。
それらの状況を回避して購入に結びつけられると、その企業に大きく貢献していることになります。
そのため、インバウンドの仕事よりも報酬が高めに設定されていることが多いですし、成約ごとにインセンティブが発生するシステムのところも少なくありません。
そのため、高い報酬を得たい人に向いていますが、逆にいうとその分だけ技術やノウハウも求められるということです。
それが理由で挑戦しようとしない人も多いですが、実は決して難しい仕事ではありません。
情報を小出しにする方法や沈黙を挟む方法などを知っておくだけで、難易度を大きく下げられます。
ただし、テクニックを重視しすぎて本質を忘れないように気を付けてください。
常に持ち続ける必要があるのは、商品の魅力を最大限に伝えようとする気持ちです。
ここだけの話として紹介する内容が、商品と関係のないものであれば、一気に興味を失わせてしまう結果になりかねません。
特典などは商品と関係のある話といえますが、好感触だからといって他の商品まで案内すると、途端に焦点がぶれてしまう恐れがあります。
余計な情報が商品の魅力の損失につながるリスクがあることも覚えておきましょう。
お客さまの気持ちが第一
これらの方法のポイントは、話のリズムを操作してお客さまの気分を盛り上げられることです。
小出しにするたびに操作のタイミングを得られますし、沈黙することは流れのアクセントとして重要な意味を持ちます。
ここだけの話として伝えることはトークに抑揚を付けることになるので、お客さまの気分のコントロールに役立つことでしょう。
いずれにしても、自分の気持ちに重視して一方的に伝えるようなスタンスは控えなければなりません。
購入したいという気持ちを喚起できるかどうかはトークの運び方次第です。
それが分かっていないと、上述の方法を身に付けても、どれも宝の持ち腐れになりかねません。
自分を有利にするために駆使するのではなく、商品の魅力を伝えるために利用するという意識を持ちましょう。
この記事を書いた人

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