新人研修に参加
コールセンターと一口で言っても、通信販売やネットに出した広告についての質問の受付、またその苦情の受付、中には「これって彼女にプレゼントしたら喜ばれますか?」なんて質問も。
まるで恋愛相談です。
でも、当人は切実にその答えを私に求めているのが電話口から分かるんです。
だからむげにはできないし、かといって私も恋愛経験が豊富というわけではないし。
実は今の旦那の他にはひとりしか付き合ってないんです。
だからこの手の電話がかかって来ると、いつも困ったなあと思っていたのです。
そんなおりに新人研修の枠にひとつ空きが出たということで、行ってみないかという話をいただきました。
もう新人さんという歳でもないのですが、いろいろな業種の電話オペレーターさんの合同研修ということで、他のコールセンターがどんななのか興味もあり参加してみました。
研修講師は大手テレビショッピング会社のオペレーター
そこで講演をしてくださった研修講師の先生は、どこかで見たことあるなあと思ったのですが、この言葉を聞いて思い出したのです。
「話すことも必要、でも聞かせて頂くことはもっと重要」。
はっと思いました。
この方はとある大手テレビショッピング会社の電話オペレーター部門を取り仕切り、配置を考えたり、応対が極度に長いオペレーターさんがいるとアドバイスをされたりする方で、とあるドキュメンタリー番組でも紹介されたことがある方です。
かくいう私もその番組を見てコールセンターのオペレーターというお仕事もいいなと思い今にいたるのです。
まさか生徒と研修講師という立場でお会いできるなんて、本当にこの新人研修に来て良かったあと思いました。
この方の務めるコールセンターにも私のところと同様、様々なお電話がかかってきます。
商品への質問は当たり前として、誰に渡したら喜ばれるか、私は買って楽しいか、そこからどんどん話が進んで孫が受験で有名大学に合格したといった自慢話になることもしばしばだそうです。
全くもって商売になりません。
また限られた人数のオペレーターで業務の遂行を考えるなら、ひとりあたりの応対時間を短くすることが肝要です。
でも「聞かせて頂くことはもっと重要」というお言葉の通り、決して無理に切り上げようとはせず聞いてくださいと、社内の新人研修でも必ず最初にお話しするそうです。
感銘を受けた研修講師からの言葉
企業の研修講師であれば、いかに効率を上げるかをお話しされるのかと思いましたがそうではないことに驚き、そしてその次の言葉にハッとしました。
「人間は元々しゃべる生き物なんです。だからしゃべらせればどんどん前向きになり、ご購入して頂くことに繋がるし、どんなものをお求めなのか傾向も分かってマーケティングにも繋がります。」
さすが、かの有名な会社でコールセンターを取り仕切り、研修講師も務められる方は、私なんかの一歩も二歩も先を見ておられます。
目の前の商品の売れる個数も大切ですが、買って頂き満足して頂くこと、そこから何かを学ばせて頂くこと、そんなことまでお考えなのかと思うと、とても感銘を受けました。
きっとこの方にとっては新人研修の場で研修講師とお話しすることはたいした目的ではなくて、新人研修に来た私たちから何かを聞くことが目的なんだと思います。
事実、ご講演のあとのお茶会では積極的に私たちの輪の中に入ってこられて、ほとんどお話しをされることなく聞き手に回られていました。
相手に話させるのが本当にお上手で、きっと売れっ子司会者ってこんな感じで番組を回していくんだろうなと思いました。
日々の生活と重なること
私たちの日々の生活でもそうですよね。
仲のいいママ友なんかとのお茶会でも、やっぱりみんな話したくてうずうずしているから集まるのであって、聞いてほしいことを何でも話させてくれるような相手と一緒に過ごすととても楽しい時間を過ごした充実感に包まれるものです。
だからそんな人のまわりには自然と人が集まります。
でも、その人はほとんど自分のことはしゃべらないのに、ストレスが溜まったりはしないのでしょうか。
研修講師の方に聞いてみました。
「聞かせて頂くことで喜んで頂けるので満足してますし、これからに向けてのヒントを頂いているので、言葉は悪いかもしれないけれど利用させてもらってます。」だそうです。
知らないうちに利用されているんですね。
でもお話しされる側の人たちもそれで満足されるのだからいつの間にかにウインウインの関係になっているんですね。
コールセンターのオペレーターとしての思い
コールセンターのオペレーターって、いかに買っていただけるようにお話しを持っていくか、また苦情で怒られるときはひたすら謝って炎上するのを防ぐのが仕事って思っていましたけれど、同じ仕事をされている方でこうも違う見方で仕事をされているのかと思うと自分が恥ずかしくなる思いがしました。
考え方ひとつで後ろ向きにも前向きにもなるのですね。
ここでこうしたコラムを書いているのは、人に話してばかりいるのと同じで聞いていないじゃないかと思われるかもしれませんが、個々も見方をひとつ変えて、書かせて頂くこと、お話しさせて頂くことで私にも何かが得られると考えていきたいと思います。
この記事を書いた人
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コールセンターの現場の第一線で日々頑張るスタッフ達が価値ある「リアル」を伝えます。
貴社のご発展に是非、ご活用下さい!
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