何故エリートコースがあるのか
経営幹部は営業組織において幹部候補を作らない事を基本と考えるべきでしょう。
ですが、これが出来ているところは皆無といって良いかも知れません。
どこの会社でも幹部候補というエリートコースが既に設定されていて、これは企業だけではなく、公務員等の官僚組織でもよく知られている所でもあります。
公務員のようなところでは、既に公にこのエリートコースが設定されているわけですから、驚きというよりはあきれるといった方がいいかもしれません。
実績を数値で評価することが極めて難しい公務員のようなところになれば、そうするしか組織を運営する方法を考えられないというのが、今の日本や世界の実情という事になるのかもしれません。
企業ではこうしたエリートコースのようなものがどこかにあれば、それだけで全ての人の労働意欲が減退してしまうという事は当然の事として知られるところです。
にも関わらずにこうしたものがある理由としてはそれだけの価値があるからという事になります。
ではその価値というのは何かというと、今の経営幹部たちが安心して経営をすることが出来るのが、このシステムだからです。
どういうことかと思う人もいるかもしれませんが、エリートコースという特別枠を設定すると、そこに入った人達は決して経営陣のいう事には背きません。
感謝してひたすら経営陣のいう事を聞くというイエスマンがここに入ってくる事になるわけです。
ノーというような人がいればここから出されるというように言い換えてもいいいかもしれません。
という事は、ここに居なければいい思いをすることは出来ないわけですから、必然的に経営幹部のいう事を聞く人が出世をするという事になっていくわけです。
そうなれば当然幹部は安泰で、自分が引退しても自分に対していろいろと便宜を図ってくれるような人達を育てることが出来るので安心して経営をするという事が出来る事になります。
つまり、このエリートコースが経営をする大きな意義になっているというわけで、これが決してどこの企業からも無くならない理由という事になります。
そうなれば労働者は出世する可能性が極めて低くなりますから、労働意欲は減退することになり、会社として業績が上がらなくなるどころか落ちるという事もあるわけです。
大きな会社ほどよくある考え方
ですが、これは経営陣からすると全く問題はありません。
経営陣が考えていることは業績アップでもなんでもなくて、自らの保身だけですから、別にリスクを取って業績を伸ばす必要もないわけです。
ですからこの考え方は大企業になればなるほどあると考えて良いかも知れない。
今は自由競争で起業には入れば誰もが出世するチャンスがあるというように考えている人も少なくはありませんが、そのような事は全く無くして、組織が大きければ大きいほどこの組織を守るという事に必死になっているという事を考えなければなりません。
ですから、いかにこの幹部候補を作らないという事が基本であり、効果的な事なのかという事がこの事からもわかるはず。
何しろこれで自由競争が出来るという状態になりますから、営業でも製造でも極めて仕事をしやすい環境が出来るという事になるわけです。
企業で仕事をしている人で上を目指さないという事では、まずいい仕事をすることは出来ないでしょう。
少なくとも上を目指している人に勝てることはありません。
普通に自由競争をしたときに、目指しているモノがある人と無い人とでは、全く発揮する能力が違うのはあらゆるところで証明されているという事が言えます。
自分の地位を安全にキープできるという事自体がおかしい
この目指しているところを作るという事を企業は本来考えなければならないわけで、それが経営陣になるということであることは間違いないはずです。
ですから、この幹部候補という言葉が当たり前のようにある時点で、その会社は組織や考え方を見直す必要があると考えて良いでしょう。
既に組織が守りに入っていて硬直化しているという事が、こうした言葉に出てきていると考えて間違いありません。
このような言葉が出てきた段階で、そうした人がいるということですから、これが社員の勤労意欲に大きく水を差すという事は当然企業であれば考えなければなりません。
人によってはお金さえ獲得できれば、別に地位を望まないという人もいないわけではありませんが、地位が低ければ報酬が少ないわけですから、お金目的で仕事をしているということがある以上、仕事をしている人は上を常に目指さなければ意味が無いという事が言えるはずです。
ある程度の地位まで行けばいいという考えもありますが、その地位にとどまるという事を考えている時点で自分の都合のいい話で、とどまるということ自体が自由競争を否定していると考える必要があります。
組織の一番下に居る人は常に厳しい競争にされされていて、そのような事を言えるような環境ではありません。
そのような厳しい競争を強いている側が、自分の地位を安全にキープできるという事自体がおかしいと考えなければなりません。
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