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人工知能でコールセンターの完全自動化は出来ない
結果的に言えばAI(人工知能)を導入しても、コールセンターの完全自動化は出来ないと考えていいでしょう。
原理的にはAIで人の代わりをさせることは出来ない事もありませんが、そのためのデータの取得をすることが出来ないであろうという事と、責任のある判断をAIにさせることは出来ないだろうという事があるからです。
ですから、今でいうところの、マニュアル的な対応だけがAIで試されるようになると考えて良いかもしれません。
様々な問い合わせに対応するということになれば、もうほとんど出来ないという事になるので、AIが導入されても単なる窓口業務をしてもらう程度の事になると考えられます。
まずデータ不足という事が大きな課題となる事は間違いないでしょう。
AIが人と同じ事が出来るというためには、習得という期間が必要で、様々なデータを与えて、それに対して学ばせるという事をしなければなりません。
つまり、その為の膨大なデータが必要になるというわけです。
AIの進化には膨大なデータが必要
例えば自動的に会話をするようなAIがいますが、これは膨大な会話データがあるからこそ、人と同じように経験を積んでいく事で会話を習得するという事をしているというわけです。
但し、AIの場合は習得というのではなく、自分で単に膨大な経験の中から、正しいと考えられる物が選ばれているというだけの事であって、人でいうところの言葉を理解して選択をしているというわけでは無いというところが問題という事になります。
何故かというと、言葉の意味を理解しているということになれば、おかしな回答をするわけは無いわけで、”この問題はどうやれば解決しますか?”というような問いに対して、”それは明日解決するでしょう”というような意味不明な事を言う事は、人の場合はありません。
ですが、AIの場合はいとも簡単にこの回答を導き出してしまうという事があるわけで、様々な人がびっくりするような事を言い出してしまう事も考えられるという事です。
このような珍事は膨大な経験を積んでいく事で改善されていくことにはなりますが、その為には膨大なデータが必要になります。
コールセンターのような限られたところでの会話ということになれば、それだけのデータを用意することが出来るのかという事が問題となると考えていいでしょう。
自覚がないAIには責任を持たすことができない
更には責任をだれが持つのかという事が問題となります。
この責任の所在がAIの場合は持つことが出来ないので、結局は責任者のような人が近くにいて、その人が責任を持って回答をするという事になるしか無いわけです。
過去に同じような質問が来ているという場合にはAIがその答えをそのまま話すという事で対応することが出来るかもしれませんが、新しい問い合わせで、担当者が責任を持たなければならないようなものは、なかなかAIには出来ないと考えた方が良いでしょう。
何しろ等のAIには自覚という物がありませんから、それでは質問をしている方も不安でしかありません。
責任を持って回答をするというのは、ビジネスの基本のようなものですから、それが出来ないということになれば、これは全てをAIに任せる事は出来ないという事になります。
但し、これまで人がやっていたコールセンターの仕事の多くが出来るという事は言えるのかもしれません。
上記の様に既に過去に同じ問い合わせがあったというようなものは、その過去と同じように言えばいいだけですから、これはAIの得意中の得意技という様に言えなくもありません。
そして、簡単な受け答えについても出来ると考えていいでしょう。
その場に応じた対応はAIには不向き
よくある、差しさわりのない会話ロボットのような事であれば、別に出来ない事では無いのです。
”今日は晴れですか?”というように聞かれて、”そうです”とか、”雨です”というように答えることは出来るでしょう。
ですが、この商品をどのように使いますかというような事になると、その場に応じた対応が必要になるので、なかなかこれをAIに教えるという事は難しいと言えるでしょう。
物の使い方などは実にさまざまなケースがあるので、そうしたものに全て対応するという事はほとんど不可能という事になります。
コールセンターの仕事でも、担当の個人が対応すべきところと、責任者が出てきて対応する所の線引きというのは極めて難しい判断をしなければならないところ。
これが完璧に出来るというAIはそう簡単には出て来ないはず。
理由はAIは上記の様に経験を積まなければ何も出来ないからで、人によって出来る事と出来ない事があるような場合は、AIでもかなり難しいと考えられます。
当然、自動化という事は難しいと考えていいはず。
但し、人の技術は日進月歩で進んでいますから、今の技術では全く考えられなかったような方法が思いつかれてしまうという事も無いわけではありませんから、現状はというように言った方が良いかもしれません。
新しい技術は極めて利便性が高くなるという事は言えますが、それで自動化というのはまだ早いとも考えられます。
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