カスタマーエクスペリエンスとは
カスタマーエクスペリエンスは顧客体験という意味を持ち、お金を支払って得られる価値だけでなく、実際にそのサービスなどを利用した際に得られる顧客満足度などを重視することを指します。
顧客体験という意味があるために、顧客に体験をさせるものという認識が広まりやすいですが、実際はそんな単純な話ではありません。
実際に体験できるものは細かく分かれており、何を顧客に体験させるべきか、どこにその価値を見出すべきかも異なります。
1つだけ言える事はただ単に商品を購入してもらえればそれでいい時代ではもはやないということです。
これだけ重要性がある理由の1つにはあまりにもこれまでのカスタマーエクスペリエンスのレベルが低かったことが考えられます。
購入させるだけさせて実際に得られた経験や価値というものがなかったために、他のブランドへの乗換えが目立つことが様々な分野で見られました。
機会損失も多く、整備をしてこなかったがために売り上げを失っていたことも指摘されています。
守りと攻めで言えば守りに該当し、守りを固めることにより多くの人に愛されるブランド、サービスへ成長させることができます。
積極的に考えられるようになってきたのもそのためです。
5つの価値
実際の顧客体験ではいくつかのものが考えられ、知覚的経験価値や感覚的経験価値、創造的経験価値に肉体的経験価値、そして準拠集団の5つの価値が経験できます。
いわゆる五感をいうものを重視し、様々な形で経験させていき、体感してもらうことが非常に重要となっています。
例えば感覚的経験価値で言えば、感情的な部分を重視した戦略を立てられます。
ホテルなどがそうですが、至れり尽くせりのサービスを施して気持ちよく過ごしてもらうこともいわば感覚的経験価値の1つです。
顧客満足度を上げることはこういった部分につながっていきます。
準拠集団というのはコミュニティを形成し、その中で得られる経験価値を見出していくやり方です。
一緒に活動を行ってその中で喜びを得る、もしくは普段はできないことをみんなで体感してその楽しさを理解するという部分を重視しています。
そうすることでそのサービスの素晴らしさというものが実感できます。
経験価値を大事にしていくことは今後のサービスを展開していく上で重要であるとともに、どのようにすればそれが可能になるのか、単独での行動ではなく複数の部署で連携して行っていくことが求められる時代です。
ポイントは『ペルソナ』という顧客像
その一方で、実際にどのようなことを実施していけばいいのか、効率的に行うには何をすればいいのかというのもまた単独の部署では決められません。
こうした経験価値を見出したいと思ってもなかなか構造的に難しいこともあるものです。
そんな時にいくつかの部署や部門で考えて意見を出し合うことである程度の方向性が見えてきます。
最初のうちは異なる意見ばかりでまとまるものもまとまらない印象がありますが、意見をすり合わせていくうちにその方向性が段々と定まっていき、最終的にそのベクトルをさらに強めていくことでよりよい経験価値を作り出せます。
この時に重視されるのがペルソナという顧客像です。
どのような人物をターゲットにして、どのような体験をさせれば多くの効果が得られるのか、そこを徹底的にフォーカスしていく作業が非常に重要です。
若い人をターゲットにするのであれば面白いものを体験させることで最初のうちは来てくれるものの、そこから人間同士の出会いにどう結び付けていくのか、リピーターにさせるために何の体験をどのタイミングでやってもらうのかを設計していくことになります。
そのためにペルソナを作り出すことが求められます。
『カスタマージャーニーマップ』で可視化
ペルソナを作り出したら次はカスタマージャーニーマップというものを作ります。
顧客に体験させるにあたってどのような流れで体験をさせるのか、それを図式化したものです。
これを作り出すことでサービスや商品をどこの段階で知って、なぜ購入したのか、購入した後のアクションなどを1つずつ検証していき、時系列にまとめることで場面場面での最良の判断、サービスが提供できます。
単に顧客体験をさせるのではなく、どのタイミングで何を感じたかを目に見える形にすることで新たな発見やより魅力的なサービスに結び付けられます。
カスタマーエクスペリエンスの質を上げることは結局のところ、普段利用している顧客の存在を思うことや顧客像を明確にすること、その商品をどの段階で知ってどのように感じるかというものを図式化することにかかってきます。
要するに自分たちのサービスなどをどれだけ知ることができるかということでもあります。
実はこういう時によく使われていたというのを知らずに商売をしているものです。
それをカスタマーエクスペリエンスのレベルを上げる際に知り、顧客体験とは何たるか、その重要性を知る過程の中で自分たちの商品のことをしっかりと理解できるようになります。
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