テレアポの本当の役割を認識すること
アポ電の目的とは?
テレアポは、契約に至るまでの最初の一歩です。
しかし、そのかけ方次第で大きな利益を得るチャンスを逃してしまう危険性もあります。
今の時代、一社独占の商品で一人勝ちしている企業はほとんどなく、規制緩和などで、他社企業もどんどんいろいろな分野へ進出し、利益を生む枝葉を広げています。
アポ電を入れている企業に同じようにアポ電を入れているライバルはたくさん存在するのです。
一本のアポ電での失敗が、他社への利益に変わってしまう可能性があるのです。
その意味でも、最初にかけるアポ電はとても重要になってきます。
では、どういうことに気をつけてアポ電をするべきなのかということですが、最大の目的は、とにかく「直接会って頂くこと」です。
そこからしか人間関係・会社関係は始まりません。
面談の約束をするのが、テレアポの役割です。
製品を売り込むことではありませんし、契約などの言葉を早々に出すのは禁物です。
契約までの道のりは長いのです。
まずは、相手先企業の事情を知り、現段階で導入しているものをリサーチして、我が社の製品をどのような形で提供すれば、クライアントの最高の満足を得てもらえるか、コストをできるだけ抑え最大の利益を生み出すことができるかを相手先企業の立場になって考えなければなりません。
自社の売り上げ利益を考え、その前に、我が社の製品を導入する企業の利益の最大化・作業の効率化も一緒になって考えなければならないという非常に難しい立場に立たされます。
それを十分にさせてもらうためには、信頼関係の構築を図らなければなりません。
その第一歩となるのがテレアポです。
テレアポの役割とは?
テレアポが上手く取れれば、あとは面会ですが、本番は面会です。
しかし、ライバルは多く、そのプレゼンの場を設けてもらうことだけでも大変なことです。
開かずの扉をこじ開けるかのような作業です。
まず、相手先に関心を持ってもらうことが大事です。
ライバル社がすでに出入りしている場合なら、そのライバル社と違う提案ができることを伝える必要があるでしょう。
相手先企業としても新規システムの導入となれば、多大なるコストがかかり、失敗は許されません。
責任者のクビが飛ぶほどの一大プロジェクトといっても過言ではありません。
それだけに担当者は、慎重になっているはずです。
我が社が今接触している企業と同業なら、必ず天秤にかけてくることは間違いありません。
そういう相手先であれば、「当社は新しい提案が可能です」という趣旨のことを伝えてアポイントを取ると良いでしょう。
まったくライバル社が出入りしておらず、相手先企業もまだ導入は先だと考えている場合のアポイントを取るのは大変です。
まったく関心のないところから、開拓しなければならないからです。
それには、当社の製品のメリットや導入後にどうなるかなどの分析が必要になりますが、まずは相手先の担当者と面談すること、そして名刺交換し今後もコツコツと話し合いを重ねていけるようにすることです。
それを一気にテレアポでやれるはすがありません。
テレアポは、あくまで初対面を実現させるため、又は初対面後の2回目以降の話し合いの約束を取り付けることが役割です。
「それでは一度お会いしましょう」という言葉を頂ければ良いのですが、中には「ひやかし」も含まれています。
いざ面談に行ってみると、その時の電話に出た人はいない、代わりに出てきた人はまともに話をしようともせず、パンフレットだけ受け取って消えてしまうというおそろしいパターンもあるので、いろいろなパターンがあることをわかった上で、慎重に対処することが大切です。
ひやかしの企業のアポが入っているからと、最重要顧客の企業を後回しにして損するようなことにはなりたくありません。
アポ電のアレンジとは?
手当たり次第にアポイントを入れていくと陥るのが、まさにその失敗です。
ダブルブッキングを自分でやらかしてしまうのです。
付き合いがない方を切れば良いというようないい加減な話ではありません。
こんな場合は、2人1組で行動するところを1人ずつに分かれて行かなければならなくなります。
また、アポ電のときは2名で訪問すると約束しておきながら、若い方のペーペーが1人で訪問してきたら、相手先企業の担当者はどう思うでしょうか。
「うちは舐められたものだ」と思うのではないでしょうか。
そんなトラブルにならないためにも、テレアポには注意が必要です。
また、テレアポでどういう意図で電話をかけてきたのか、相手先企業の担当者がわからないような整理されていないトークも訪問を断られる要因になります。
要件は端的にかつうっかり伝え忘れ・聞き忘れがないようにしなければなりません。
しかし、緊張のあまりつい忘れてしまった項目があるのがテレアポあるあるです。
そんな失敗を無くす為にも、テレアポによって約束する項目・伝えておかなければならない重要事項などを書いたノートを自分で作成すると良いでしょう。
また、電話で話した内容もそのノートにメモしておいて後でテキストに書き起こすことができます。
また、相手先から唐突に質問が来ることがあるので、それに対する準備も必要です。
これまでに受けた電話での質問などを記録して、今後の参考にするようにしておけば、急に同じような質問があってもすぐに的確に回答することができます。
そうしたひとつひとつの積み重ねが信頼という絆を育んでいくことになるのです。
しかし、テレアポの種類にもいくつかあって、「10年検討中の企業」というおそろしい存在があることも事実です。
10年も決めきらないのであれば、テレアポもしばらくお休みにすればいいのではと思うかもしれませんが、そうはいかない複雑な事情があるケースがあります。
とにかく1ヵ月に1回はテレアポを入れなければならない、絶対に契約にはならないことがわかっていても1ヵ月に1回は「ご挨拶」に行かなければならないというテレアポもあります。
これは、その企業が歴史ある世界的にも有名な超一流企業であり、参加にたくさんのグループ企業といわれるものがぶら下がっているからです。
その企業での我が社の評判が下がれば、グループ企業の集会の席で、我が社の評判がグループ全社に知れ渡るということになります。
いろいろなテレアポがあるので、それぞれに合ったアポ電の仕方をアレンジすることが必要になります。
テレアポで上手くいっていない企業様に多く見られる特徴
テレアポの意義とは?
テレアポで上手く行っていない企業にみられるのは、みんなテレアポをすることを楽しんでいない、嫌がっているということです。
20社電話するのに半日かかっている営業マンもいます。
1社電話して断られたら、喫煙ルームに行ってまた戻って、1社電話して断られたらため息をついてまた喫煙ルームへといった行動を繰り返して、20社を午前中いっぱい使ってアポ電しているのです。
しかもその結果、アポイントが取れたのは片手に余る数社。
まだひどいのは、まったくテレアポをしようとしません。
何を考えているのか図りかねる社員というのがいるもので、上司の命令をまったく無視して架けようとしないのです。
テレアポの非常に上手い営業マンがいて、その営業マンが20社電話したら、15社くらいアポイントを取るので、あまりの差に驚いてしまいます。
おそらくそうなる結果を見たくないのでしょう。
自分の方が役職が上であるのに、若い社員に3倍もアポ数の差をつけられては恥とでも思っているのかもしれません。
その現実を突きつけられるのが怖くて電話を架けることを拒否しているのです。
こんなことでは、営業部の連携も上手く行きません。
みんな足の引っ張り合いです。
テレアポが得意な人が羨ましい、しかしどうやってそんなにアポイントが取れるのか彼に聞こうともしない連中が多いのです。
あとは、いやいやゆっくりため息をつきながら架けている社員です。
こちらもほとんどアポ取れず。
そもそも営業部にいる資格があるのか疑わしい社員が存在します。
そして、彼らに共通しているのは、テレアポが上手くてたくさんアポイントが取れる社員への嫉妬と嫌悪。
そんなことでは、テレアポのスキルが上達するはずがありません。
何故、そんな社員が発生してしまうのでしょうか。
それは、会社対会社のお付き合いの始まりであるという認識が薄く、断られることに非常に屈辱感を抱いているようにみえます。
アポイントを断られることが、まるで自分の人格を否定されたかのように思っているようです。
そもそもテレアポとは何たるかの意義をわかっていないのでしょう。
テレアポ重要なこととは?
テレアポは、架ける人間の心理面が非常に重要です。
細かい言葉遣いや敬語の使い方以上に、アポ電をする人間の精神状態が重要になります。
アポイントがたくさん取れる営業マンは、電話を架けるテンポというかリズムがあります。
断られても腐らずきちんとお礼を言って、すぐに次へ頭や気分を切り替えている、それがテンポが良いのです。
しかし、なかなかアポイントが取れない社員は、とにかくテンポが悪い。
1社電話してすぐに喫煙ルームに行くようでは、とても良い結果は望めません。
そんな社員は、ときに反論してきます。
いくらアポイントが取れても契約に繋がらなければ交通費。
出張費の無駄だとぬかすのです。
自分は営業に出ていないので、無駄な交通費を使っていないとでも言いたいのでしょう。
そして、アポイントをたくさん取って出張している社員が、会社の経費を無駄使いしているとの主張です。
これは、アポイントが取れない社員に共通している認識のようです。
こんなことでは、営業部は機能しません。
一致団結などとんでもない夢物語です。
営業は、みんなでサポートし合って、やっと1件取れるというものなのに、1件取れそうな社員の足を引っ張るような主張を繰り返し、真剣にアポ電をしようとしない落ちこぼれ営業マンたち。
彼らを目覚めさせないことには、我が社の未来はありません。
こういうケースの場合は、命令系統のどこかに不具合が発生している可能性があります。
そこを調査する必要がありそうです。
上司に不満があるとか、自分たちの評価に不満があるとか、とにかく不満が充満しているのでしょう。
あと、ちゃんとしたテレアポの研修会などが実施されておらず、それぞれの個人的なスキルに任せっきりというのも問題です。
テレアポの心の持ちよう
みんなテレアポをどんな風にやったらよいかわからないのです。
アポイントがよく取れる営業マンは、特に研修など受けているわけではありませんが、もともと向いているのか、自分でオリジナルの方法を持っているようです。
やはり、専門家を招いて「テレアポの正しいやり方」という研修会などを開催して、営業部の統率を図らなければなりません。
営業マンは外に出て面談するのが仕事であるのに、アポイントが取れない連中は、自分たちは出張費など会社の経費の無駄遣いをしていないから良いだろうとは言語道断です。
ここまでくると、営業部の崩壊の危機的状況といわざるを得ません。
しかし、テレアポの専門家から研修会を受講したからといって、テレアポ嫌いな社員たちが、ある日から人が変わったようにアポ入れが上手くなるものでしょうか。
やはり、心構えがすっかり入れ替わらないと無理だと思われます。
アポイントが取れる社員と取れない社員は仲が悪く、コミュニケーションはなし。
これでは、スキルの伝授という方法も難しい。
アポイントが取れる社員が、みんなを前にアポイントの取り方を教示してくれたら助かるのですが、アポイントが取れる社員の方は頼めばやってくれるでしょうが、問題は聞く側の社員です。
なにせ、アポイントが取れる社員を妬み、経費の無駄使いをするななどと言っている連中ですから、果たして彼のスキル伝授を快く受けるのかどうかといったところが悩ましい問題です。
彼らにも1社でも契約が取れた成功体験があれば気持ちも変わるのでしょうか。
彼らには、自力で得意先を開拓し、契約まで至ったという成功体験がありません。
それが、ネックになっている可能性もあります。
上司からの命令系統の問題については、彼らを無能扱いして契約取れないなら給料泥棒などと言っているのが良くないのでしょう。
それが反抗となって、契約に結びつかない出張は会社の経費の無駄遣いなどといった理屈が出てきたのだと考えられます。
彼らに成功体験を持ってもらうには、蕾が開花しそうな案件を2人1組で持たせて、なんとか契約まで漕ぎ着けるように導くのが良い方法ではないかと思案しているところです。
テレアポは、電話マナーや言葉遣い、電話の切り方などの基本的なマナーの他に、最も重要な要素として電話を架ける人間の心の問題があります。
詳しく説明をし過ぎてはいけないこと
アポ電で大切なこととは?
アポ電を入れる際は、あくまで「面会の約束を取る」ことに専念した方が賢明です。
相手先企業から、「来社して何を話すのですか」と聞かれた場合は、割と短めに概要を話して構いませんが、電話口で聞かれもしないのに、細かい製品の説明などはしないことです。
「この人は話が長い」とか「この人は話がくどい」などと思われてしまってはマイナスです。
商品の説明は、実際に面談したときにすれば良いのです。
それに、電話で製品の説明をしようとしても無理な話で、詳しく伝わらないばかりか、自分のペースで話を進めてしまう営業マンだと思われてしまいます。
聞く相手側の立場に立ってお話をする必要があります。
また、訪問する際の目玉にしようとしていた話を、電話で先走ってしてしまうと、当日の話の段取りを変更しなければならなくなります。
電話ではここまで、実際に会ったらここからというのがあると思うので、それを守らないと、面談当日の「お土産」が無くなってしまいます。
そのようなことにならないためにも、自分なりのオリジナルの「アポ電シナリオ」を作ってみてはいかがでしょうか。
そうすれば、喋りすぎを防止することができるかもしれません。
その際の訪問する目的については、長々と説明するのではなく、簡略化した上で相手がピンとくるようなキーワードを入れて訪問目的のフレーズを作成する必要があります。
熱心さが表に出て、つい長々と説明するうちに、売り込む商品のスペックにまで話が及んでしまうこともあるでしょう。
相手はまだ契約するかどうかもわからない段階です。
とりあえず、会って業界の現況でも情報として耳に入れておくかという程度にしか考えていないことがほとんどです。
そこにきて、詳しい製品の情報まで説明するのは、まったく空気を読まない身勝手なアポ電の仕方であると言わざるを得ません。
相手先企業によっては、非常に警戒心が強いところもあり、いきなり売り込みをかけられるのではないかと心配していることもあります。
それなのに、「ご契約していただくと・・・」などと契約という言葉を早々に口に出すのは、相手の警戒心を煽るだけです。
アポ電をする前に必要な準備
関係は、時間と日数をかけてコツコツと積み上げていくものであり、最初のアポ電一本ですぐさま人間関係を作ろうと焦らないことです。
どのみち、相手先企業の担当者と仕事終わりに酒を酌み交わすくらいの関係性にまでならないと、契約には至りません。
そこまで行くには数年かかることがほとんどで、10年経ってもまだじらされている相手先企業もあるほどです。
10年間引き継ぎを受けながら、その企業に通っているのですが、ある時期に契約まで行きそうになったが、話は立ち消え、また数年後に契約の話になったが、それも立ち消え、とうとう契約に至らないまま10年が経過しようとしています。
購入をまだ検討しておらず、とりあえず市況だけ教えてもらおうとしている企業に対し、一本の電話での商品説明がいかに無意味であるかがわかると思います。
とはいいながら、中には詳しく向こうから聞いてくる場合があります。
意外とシステムに詳しい人物で、「この性能はどうなっているの?」とか、「このタイプだとコストはどのくらいかかるの?」といった細かい質問もしてくる場合があります。
その際に、言葉に詰まってしまうようでは、逆に言葉足らずの準備不足です。
必要最低限のアポ電シナリオの他に、製品情報まで踏み込んで聞かれた場合用に、ページを変えてノートにある程度の製品情報を書いておいた方が良いと思われます。
とにかく、自分のオリジナルシナリオを作成してからアポ電を入れるようにします。
そして、電話で聞かれたことは、また他のクライアントの担当者から同じような質問が来ることが予想されるので、電話日記のような感じで、どんな質問があってどのように回答したのか、それで相手側は納得したのか、それとも話が長いと言われそうになったのかなど、その時の様子をレポート式にまとめておくと次の機会に活かすことができ、アポ電の進歩につながります。
オリジナルのアポ電ノートが必要な理由
実際に相手先企業に行って、いろいろ見学させてもらわないとわからない点がたくさんあります。
現在導入しているのがどんなタイプなのか、その使い勝手はどうなのか、当社のシステムを導入してアレルギー反応を起こさないかどうかといったチェックが必要です。
まずは、現地で相手先企業の状況を把握しなければ、正確なことは言えないはずなのです。
したがって、詳しくいろいろと当社の製品の性能やメリットなどを事細かに説明したところで、実際に見てみたら適合しなかったということになります。
それなのに、電話で「うちの製品がお役に立ちます」とか「多大なメリットがあります」といったフレーズを言ってしまうと、後で気まずい思いをしなければならなくなるケースがあるのです。
あまり電話の段階では余計なことは喋らずに、まずは簡単な訪問の趣旨と誰が行くのかくらいに留めておいた方が賢明でしょう。
それで物足りないと感じたら、相手先の方から質問してくるので、それに回答できる準備を整えておけば十分です。
あと、まずいのはアポイントを取りたいがために、訪問の趣旨を曲げて話すことです。
これはよくみかける光景です。
本当は新商品を持参してその場で説明するつもりなのに、「ご挨拶だけです」と嘘を言ってしまうことです。
アポ電をした本人は、面談当日になし崩し的になんとかなるだろうといういい加減な気持ちでしょうが、当日挨拶だけだと思っていた渉外担当者は、いきなりカバンからサンプル商品などを出されて、もしくはパンフレットなどを勝手に出されて説明されては、びっくりしてしまい、この営業マンは信用できないということになりかねません。
その場の話の進み具合にもよりますが、そこまで踏み込んで良い場合もないとはいえません。
万が一、話がトントン拍子に進んで、「今商品をお持ちですか?」と言われたときに、持っていないという残念な結果にしてしまうのはもったいないので、一応話が発展したとき用に商品やパンフレットなどを用意しておくことは必要です。
喋りすぎなどを防止するためにも、自分のオリジナルのアポ電ノートを作成することをオススメします。
電話で接客をすること
注意することとは?
千里の道も一歩から、契約は一本の電話からといわれます。
それくらい最初に架かってくる電話、こちらから架ける電話は重要です。
相手から架かってきた場合は、もうそこが交渉現場となることが多いです。
何故なら、もう当社のシステムを導入する気満々で電話してきているからです。
「明日来られますか?」ならまだ良い方で、「今から来られますか?」となるケースも多々あります。
それも夕方6時とかであることもありますが、そこはお客様からわざわざ頂いた有り難い発注電話ですから、接客レベルで丁寧に対応しなければなりません。
せっかく開化しようとしている蕾ですから、ちょっとした失礼で蕾を切り落としてしまうことがないように注意を払って対応する必要があります。
こちらから架けたアポ電も注意しなければなりません。
思わぬところに落とし穴が潜んでいます。
相手先企業の本社は、都心部にあるとは限りません。
工場と一緒の敷地内に本社を立地している企業は、けっこうな郊外エリアに本社がある場合があります。
地図を見ながら電話するのは良いことですが、なかなかその会社を見つけられないときが注意が必要なときです。
もうそこで接客は始まっています。
見つけるまでの沈黙の間が流れる・・・そして、やっと見つけたとき、「今、見つけました、この横の大きな建物の横ですね」と言ったら、そのアポ電は失敗です。
横の大きな建物は別の会社です。
隣の会社と比べて、お宅の会社は小さいと言ったことと同じになってしまいます。
たとえ電話であろうと、そういうことが発生してしまうのです。
接客に大失敗したことと同じです。
そこで、相手先企業は気分を害して「もう来ないでくれ」とは言いません。
大人の対応で「ではお待ちしております」と言って電話を切ります。
ここで、自覚症状があれば、当日何かフォローする手土産(プレミアムな情報など)を用意することも可能ですが、自覚症状がなかった場合は最悪です。
電話の礼儀とは?
当日、相手先企業は、渉外担当者と役員でお出迎えしてくれます。
しかし、それは、アポイントを一度は受け入れたという社会人としての接客マナー。
内情としては、この契約は白紙で、プレゼンも聞く気はありません。
それでも小一時間ほどの面談を終えて、次のアポイントをとろうと後日電話してももうアポイントは獲れません。
一本の電話は、1時間の面談よりも重要であったし、もっと慎重な言葉選びをしなければならなかったということです。
たかが電話一本と舐めてはいけません。
電話にも礼儀があります。
こちらから架けておいて、要件が済んだからといって、こちらが先に電話を切ってはいけません。
相手が受話器を置く音を聞いてからこっちも受話器を置くようにしなければなりません。
電話の作法です。
あまりに緊張し過ぎて、丁寧過ぎる言葉を使って噛んでしまってもいけないので、過度にかしこまった敬語は避けた方がわざとらしくなくて良いでしょう。
相手に失礼にならない程度の敬語で十分です。
電話にも接客と同じくマナーというものがあります。
架かってきた電話にはコール3回以内で出るようにという会社もあります。
会社の総合案内に座っている受付嬢は、常に接客をしています。
直接足を運んで来る人や電話を架けてくる人などさまざまですが、その対応ぶりは素晴らしく、アポ電をする側としては見倣うものがあります。
アポ電話入れたときに、明らかに迷惑そうな声で「そんなもん興味ないし、そんな余裕もない」と断られることがあります。
すると、架けた側も「なんだ、この会社」と怒りで電話を切る人もいます。
しかし、電話を使って押しかけているのは、こっちなので、どんな切られ方をしようが、「出てくださってありがとうございます」とまでは行かなくても、こっちが腹を立ててはいけません。
淡々とアポ電を入れていくことに集中しましょう。
話し方で気を付けることとは?
よく電話をしながら、感謝を気持ちからなのか、目の前にまるで電話相手が立っているかのようにお辞儀を繰り返す営業マンがいます。
なかなか獲れなかったアポイントが獲れたのでしょう。
熱の入れようが半端ではない証拠ですが、これは悪いことではありません。
相手が不愉快になるような感情の表し方でなければ構わないと思われます。
相手先企業が、グループを結成していることがあります。
資本を少しずつ持っているのでしょう。
もともと親企業から分社化していったのでしょうが、現在はそれぞれが独立した形になっています。
そういう場合は、グループ企業の中の1社に迷惑をかけてしまうと、その他のグループ仲間に広まる可能性があります。
そうなると、そのグループ企業すべての知るところとなり、一本の電話のマナー違反が複数の企業からの不信感を買うことになってしまいます。
あと、緊張からきているのか、「あのー」とか「えー」を何度も挟む癖がある人がいますが、非常に聞き苦しいものです。
そういう人は、一度自分がアポ電をしている間、録音テープを回してみると良いでしょう。
後で聞き直してみた際に、どれだけ自分が「あのー」を連発しているかよくわかり、次からは気をつけるようになるでしょう。
さらに、アポ電をして相手先の渉外担当者が出てくれたのに、先に要件を切り出す営業マンがいますが、話の順番を間違っています。
まずは、こちらが誰なのかを明確に名乗る必要があります。
社名を聞いた途端に先方の渉外担当者がトーンダウンするのがわかるので、それを感じ取りたくないためのやり方なのでしょうが、それは逆効果です。
総合受付から取り次がれているので、当方の社名は伝わっているはずですが、それでも第一声は自社名と自分の名前です。
社名しか取り次がれていない場合は、「お前は誰だ?」ということになり、電話のかけ方も知らない無礼者を思われても仕方ありません。
社名と名前を名乗る前に「お忙しいところ恐れ入ります」くらいの一言を添えるくらいは差し支えありません。
あと、電話で話している最中に、相手からいちいち「はい」の相づちがないと落ち着かない営業マンもいます。
1フレーズ話すごとに間を置いて、相手が「はい」と相づちを返してくれるのを待つタイプです。
こういう風にいちいち間を開けると、「いちいち相づちを打たなければならんのか」とお叱りを受けることがあるので、要注意です。
主観的な表現は使わないこと
アポ電での言葉使い
企業の渉外担当者は、かかってくるアポ電すべてを面倒臭がっているわけではありません。
中には、何処かから架かって来ないかなと待っているケースもあります。
それは、社内での重役会議や企画会議などで、当社が販売しているものについて話題が出た場合です。
ライバル企業は、あの製品を導入したらしいが、うちのチームの検討はどうなっているんだ?といった質問が常務取締役あたりから急に飛んで来たりします。
そのときは、まったく検討していないケースがほとんどなのですが、「今検討中です」とか、一度も会ってくれていないのに、「今度面談予定です」などと与太を飛ばす渉外担当者までいます。
こっちは願ってもないチャンスではあるのですが、既に他社とのアポイントが入っており、そこに運の悪いことに重ねて来たりすることがあります。
そうなると、こっちはパニック状態です。
2人で営業に行く予定だったのを、1人ずつに分けて行かなければならなくなります。
それぞれに担当企業が決まっているので、営業部員なら誰でも良いというわけではないのです。
そして、そんな急なゴリ押し逆アポ電をしてくる渉外担当者が、日時を決めた後に必ず聞くのが、先日の社内会議で常務取締役が聞いたことをコピーした質問で、「御社のシステムを導入したあそこはどんな具合ですか?」という質問です。
あるいは、もっと広げて「最近の業界全体的な導入状況はどうなっているの?」という質問です。
会ってやる代わりに先に少し情報をよこせということです。
そんなとき、こっちこそ与太を飛ばしてはいけません。
当社のシステムを導入したおかげで業務効率化に役立っているみたいですよというのは明らかな私見です。
はっきりと実態調査もしていないのに、「みたい」などという曖昧な言葉を使い、我が社の製品が御社のライバル社で「役立っている」と言っているのです。
デタラメかどうかはわかりませんが、クレームが今のところ入っていない=仕事の効率化に役立っていると勝手な拡大解釈をして大事なクライアント様に、いい加減なことを言ってしまっています。
また、「全体的にはみなさん導入傾向にありますよ、業界の8割くらいは導入していると思います」といった相手を焦らせたいがゆえの与太を飛ばすことも厳禁です。
質問に対する姿勢
渉外担当者をはじめ相手先企業もまったく関心がないわけではなく、ある程度の情報は入っているものと考えるべきです。
何かの業界情報誌や噂を真に受けて、業界全体が一定の流れにあるというような大それた主観的な見解を伝えると、最初はそうなのかと思うでしょうが、そんな嘘はすぐにバレます。
業界の8割というのも正確なデータを確認したものではありませんし、最後の語尾は「思います」で締めています。
主観というか、伝えた情報が実情とマッチしていれば問題ありませんが、ほとんどのケースで実業とは若干のズレがあることがほとんどです。
それを相手先が見抜いたとき、主観で伝えた営業マンの信頼は無くなり、今後あいつが言うことは裏取りが必要だということになってしまいます。
営業マンが、相手先企業から「あいつは主観でものを言っている」などと思われたら、終わりです。
すぐに競合他社に鞍替えされてしまうことでしょう。
しかし、咄嗟の質問に対し「ちょっと待ってください、調べますので」という回答もあり得ません。
相手はこちらがその業界のプロであり、たくさんの情報を所有していると思って聞いてきていますから、そこで「ちょっと調べます」は、恥ずかしいことです。
理想的なのは、日ごろからアンテナを張って、聞かれそうなクエスチョンを想定しながら仕事をすることです。
問題意識を常に持って仕事をし、情報収集できたときはすぐにレポートを残してファイル管理することが重要です。
情報を伝えるにあたって大切なこと
営業マンにとって、情報は命です。
それを大切に管理することも重要な仕事の一環です。
咄嗟に聞かれてはっきりわからなかった際には、はっきりわからないと言った方がよいでしょう。
そして、面談する際にそのへんの情報も一緒にご提示しますということにした方が、後々問題は起こらないと思われます。
営業マンは、相手先企業から一個人としてみられているのではなく、会社を背負ってみられています。
その営業マンが発する言葉は、その営業マンが所属している会社が言っているのと同じ意味を成すということを肝に命じる必要があります。
しかし、毎日多忙な業務に
追われるうち、そういった客観的意識を忘れてしまいがちです。
自分がやってきた実績を過信してしまい、自分が考えて出した答えが正しいと錯覚してしまうのです。
そんな自滅の罠に嵌まる営業マンは意外と多く、「絶対に」・「だと思います」といった言葉を簡単に使っているのをみかけます。
その言葉を聞いた相手先企業はどう感じるでしょうか。
「だと思います」などというのは論外です。
相手先企業の渉外担当者は、そんな見解は採用せず切って捨てるでしょう。
「絶対に」も信用しません。
世界を又にかけ、動乱の中で生き残っている企業は「絶対」などということが存在しないことを身に染みて感じています。
「一寸先は闇」の言葉の方が相手先には響くでしょう。
企業同士の対話の中で、クライアント側から質問がでたときは、何も見ないでソラで話すのではなく、手持ちの資料などを取り出して、言葉の根拠を提示しながら話すことが基本です。
ソラで話して良いのはせいぜい世間話程度です。
大事な契約に関わる情報について話す際には、相手が納得するように、客観的な資料を示しながら話すことが肝要になってきます。
資料がなく、明確な情報もない場合は、後日回答するようにします。
そして、その質問の中核になる答えが無かったとしても、周辺情報があるなら客観的な資料をもとに関連情報を提供することは良いと思われます。
相手先企業の渉外担当者は、営業マンから聞き取った情報を常務取締役まで報告しなければならない責務を負っていますから、向こうもいい加減な情報を上げたりしたら、命取りになります。
向こうも気を張っているので、買ってもらう側があまりに主観的な物言いをしていると、そのうち出入り禁止になってしまうかもしれません。
この記事を書いた人
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コールセンターの現場の第一線で日々頑張るスタッフ達が価値ある「リアル」を伝えます。
貴社のご発展に是非、ご活用下さい!
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