御社の事業内容や特徴を教えてください。
弊社は人材を育成する会社で、その中でも会社の財産となる様な人を育てる、そういう教育をしています。
ベースとしてはホスピタリティになるのですが、まずは自分が光ること、そうじゃないと他者に影響を与えることは出来ないと考えているので、自分自身を磨くことが研修のスタートになります。
しっかりと自分と向き合った上で、自分が目指しているものや価値観を紐解き、今の仕事に結び付けていきます。
自分自身にとって仕事がどれだけ大切なのか分かった状態で、次に他者に目を向けるというステップになるのですが、実際は自分の想いは相手にはほとんど伝わってないという事が多いので、自分の想いが相手に伝わるように、相手の想いもしっかり受け止められるようにと、傾聴や話し方、立ち振る舞いなどを含めて、お教えしています。
─ なぜ自分を知ることがスタートなのですか?
自分のことを知らない人が、他者を分かるわけがないと思いませんか?
というのも、人には安心領域というのがあって「自分はここが気持ちいい」とか「自分の信じているものはこれだ」とかそういうのが確実にあるんですね。そしてそれは、一人ひとり、皆違うものなのです。
それがどこにあるのかに気づくことが大事なんです。
研修で目標を立てていただくのですが、目標の設定が自分の安心領域の延長線で考えてる方が多いんですよ。
時間が経てば自然と達成できるようなこともある中で、もっと高いところを目指したいのであれば、踏み出すのが怖いところに思い切って飛び込む必要がありますよね。
だから、その差に気が付くことが大切なんです。
─ これは・・・結構大変ですよね・・・
大変です(笑) 大変ですけど、壁を越えると視点が変わるんですね。
視点が変わると見える風景が変わってきます。
そうすると、気付きが変わって、その人の行動が変わるようになって成長していけるんです。
人間って自分の行動を変えるのをどうしても面倒くさがってしまう生き物なんですけど・・・そのままだとステップアップが出来ないですよね。
自分自身で道を切り開いていくためにも、自分の事をよく知らないといけないんです。
佐野様の現在に至るまでのご経歴を教えてください。
私は元々日本航空のCAだったんです。
12年務めて、一度退社して、JALウェイズという子会社で復帰したので・・・約15年程航空機内で仕事をしながら人間観察をずっとしていたんですね。
そして、JALアカデミー名古屋校という日本航空のCAがインストラクターをしている教育会社にいき、研修業の修行を積んでいたんですが、東京に戻る時に先輩が運営している別の教育研修会社に外部講師として所属して、更に修行を積んで、2002年に独立しました。
実際は個人事業主として研修業も行いつつ、並行してJALウェイズのCAとして3年間勤務していたんですが、CAとしての仕事はやりきったなと思えたので、研修業一本に絞りました。
後は、企業の教育に入ったり、大学に講師として行ったりしています。
教育の現場に入って20年経ちました。
たくさんの企業の現場で社員教育をしてきました。
大学はといえば、そうですね、8年目に突入します。
─ 8年やってらっしゃるということはかなりの人気講義ですよね!
大学の1クラスを,最初は定員50名でお願いしていたんですけど、最終的には100名になって・・・春と秋学期で2クラスに・・・(笑) なので、テストの採点が大変です(笑)
─ そうですよね・・・(笑)これ、CAさんとして長らく勤務されて人間観察をしていたから、最初の自分自身への気付きだとか視点が変わるというのに繋がっていくんですね!
CAはお客様だけ見てればいいわけじゃないんです。
大きい会社だったので周りのクルーとの関係性も大事で・・・例えば仕事が出来る先輩が好きだったので付いていったら、組合が強い会社だったので口を利いてくれない先輩が出てきたりとか・・・(笑)
社会なんてそんなものだとは思うんですけど(笑)、そういうのも私を強くしてくれましたね。
お客様で言えば、一人ひとり求めてることが違うので、マニュアルをベースに自分で考えてサービスを提供していくうちに、「守・破・離」というのを実際に経験してきました。
だからやっぱり経験って大きいですね。
「人が人を磨く」と私は考えているので、人と交流することで、成長できているなと思ってます。
御社が高い支持を獲得している理由には何がありますか?
これは、クライアントさんのことを徹底的に信用する!です。
「あなたが思っているよりもあなたはこんなに凄いんだよ」と信じて伝えるんです。
そうすると面白いことに、自分よりも自分のことを知ってると感じると、どんどん心を開いてくれるようになって、どんどん本音をぶつけてくれるようになるんです。
そうすると気付きが生まれるので、更に成長していけるんです。
やっぱり教育って結果が全ての世界なので、でも1回じゃ無理なので、こちらも粘って粘ってとことんやるのが選ばれる理由かなって思ってます。
─ エネルギーが必要かと思いますが原動力って何ですか?
私の価値観は「自分を納得させる、そして相手にも納得してもらう」ということなんですね。
だから、相手が変わっていくことが嬉しくて、無限にエネルギーが沸いてくるんです。
教育ですから、うわべのマニュアルだけじゃ成長はしないんじゃないかなーと思っているから、なんかもう・・・ご縁だと思って教育するというか・・・
「出会っちゃったね!」という感じで向き合ってやっています。
人材育成の方針について聞かせてください。
まずは自分自身を知ってください。 これがないと成長はありません。
これが秘訣ですね。
更にですね、自分を知っていく中で自分の信念も見つけられるといいですね。
例えば、フィギュアスケートの羽生結弦選手をイメージをして欲しいんですけど、彼は金メダルのためにやっているだけではなく、自分自身をスケートで納得させられるかとか、スケートで納得できるまでやってるんじゃないかなって彼の発言とか振る舞いとかでそう思うんです。
野球のイチロー選手もそうですよね。
そういう自分の信念が奥底にあるからこそ、金メダルとか4連覇とか何千本安打とかにとらわれず、ただひたすら自分の信念を貫き通すのです。
そしてその結果が目の前に顕れているんじゃないかなと思います。
ー この信念って自分で見つけるには難しいと思うんですけど、どう掘ればいいんですか?
確かに難しいです。
でも生きてきた中で、自分に影響を与えている人がいるはずで、例えば親とか先輩、先生が、いいって言ってたとか、口癖のように聞いてきたからそう信じていたとか、そういうのが掘っていくうちに分かってくるんですね。
コレって信念なのかな、自分がやりたいことなのかなって区別をつけて、それを本当にやれているかどうかを考えていくんです。
「絶対にどこに行っても間違いなくやる!曲げない!」というのが信念なので、そうすると行動は結果に現れてますから、信念とのズレに気が付けると思います。
ー でもコレ・・・一人ではできないですよね・・・
そうです。できません。
よくあるコーチングの「答えはあなたの中にある!」は嘘です(笑) 言い訳するのが人間だし、安心領域の中にいる限りは気付きません。
だからこそ牽引してくれる人と共に、探していくんです。
信念を見つけて行動を積み重ねていって、今日が明日の、明日は明後日の未来に繋がっていくんです。
だから正直、過去なんてどうでもいいんです。
全ては未来からやってきていることだから、明日そうなりたいなら、なりたい自分に合った行動を今からやることです。
でもガチガチのストイックじゃなくて良くて、知っているということが大事かなと考えています。
会社情報
会社名 | 株式会社プリサージュ |
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氏名 | 佐野 昭子(Akiko Sano) |
役職・肩書 | 代表取締役社長 |
住所 | 〒104-0061 東京都中央区銀座4丁目2-2 第1弥生ビル7階 |
URL | http://www.prisage.net/ |